『24時間テレビ』マラソンが駅伝に。恒例「負けないで」の合唱はどうなる問題
7月14日放送の『世界の果てまでイッテQ!』(日テレ系)の中で、今年の『24時間テレビ』(8月24-25日)のマラソンランナーが発表された。
今回は、4人のランナーがそれぞれフルマラソンの距離を走る駅伝形式で、いとうあさこ(49)と、ガンバレルーヤのよしこ(28)のほかに、後日発表される2名でたすきをつなぐことになる。
ただし、今年は新たな問題が加わる。それは、『24時間テレビ』のマラソンで毎年出演者が大合唱するZARDの「負けないで」の扱いだ。単純に、1人で100キロ走りぬくストーリーと、4人で40キロずつ分担するのとでは、曲の効果が違ってくるからだ。
たすきリレーのたびに歌えば飽きるし、駅伝のアンカーは、たいてい涼しい顔でゴールするもの。いずれにせよ、「負けないで」感はだいぶ削がれるだろう。
思えば、1996年の赤井英和(59)は強烈だった。どう頑張っても時間内に間に合わないペースがもどかしかったのか、並走するスタッフをどつきまわす赤井。そんなえげつない映像をバックに、武道館のステージで朗々と歌い上げられる「負けないで」には、迫真のB級感が漂っていた。
生々しい暴力と空疎なエールが奇妙に結びついたこの瞬間こそが、『24時間テレビ』における「負けないで」の最高到達点だったと思う。
それに比べると、以後の「負けないで」は惰性で歌われ続けたようなものだが、それでも“1人で100キロ”というシナリオが、ギリギリのところで意義を支え続けてきた。どのようなルート、輸送手段を取るにせよ、その数字がある限り、茶番は成立してきたし、「負けないで」は、ジャンクフードのように視聴者の心を満たしてきた。
だが、今年の『24時間テレビ』は、その金科玉条を失ってしまった。夏の風物詩、「負けないで」の大合唱はどうなってしまうのだろうか……。
1人のタレントが100キロ近くを走りきる設定が大幅に変更されることもあり、発表後のネットは微妙な空気に包まれた。ランナー決定を小出しにする演出への冷ややかな見方や、企画自体のネタ切れ感を指摘する声も聞かれた。
そうした批判自体はこの10年ほど繰り返されてきたものだし、今年も放送終了直後から例年同様に叩かれるのだろう。
恒例「負けないで」の大合唱はどうなる?
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