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「NHKをぶっ壊す♪」立花党首が歌う“N国ソング” 動画、底抜けのヒドさ

 7月21日の参議院選挙で1議席を獲得した「NHKから国民を守る党」。NHKのスクランブル化(受信料を払った人だけが視聴できる)というワンイシューを掲げ、まさかの躍進を遂げた。  そして、いまワイドショーをはじめ、メディアの注目を集めているのが、元NHK局員で、党首の立花孝志参院議員(51)だ。立花氏は、『週刊文春』誌上でNHKの不正経理を告発したのち、同局を依願退職。以降、船橋市議会議員と葛飾区議会議員を務めたのち、先の参院選挙で国政初当選を果たした。  サイズの合っていないスーツに身を包み、満面の笑みで「NHKをぶっ壊す!」と叫ぶ姿はインパクト絶大。当選後も、政党要件を満たすために丸山穂高議員(35)や渡辺喜美議員(67)などに声をかける節操のなさが、議論を呼んでいる。

「立花マヤ」名義のデビュー曲に呆れる

 立花氏が注目を集めるもうひとつの理由が、ユニークなネット戦略だろう。YouTube上の自身のチャンネルから、「NHK集金人を確実に追い返す方法」などの動画をアップし続けている。ホワイトボードに板書しながら熱弁をふるう姿は、さながら予備校の人気講師といったところ。確かに、弁は立つし、何よりも表情豊かで面白い。  まともに取り合うほどの主張ではないと理解しつつも、妙に興味を惹かれるのも事実。称賛すべき点もない代わりに、強硬に否定する理由もない。かといって無関心ではいられない存在。
立花孝志

立花孝志氏ホームページ

 そんなつかみどころのなさを象徴しているのが、立花氏がシンガーソングライターのMAYAと「立花マヤ」名義で発表したデビュー曲「NHKをぶっ壊す!」だ(記事冒頭)。というのも、歌、演奏、曲、詞、ビデオ、全てにおいてクオリティが低いばかりでなく、思想信条や理想もなければ、趣味や嗜好すら介在していないからだ。 ===== <歌詞> NHKをぶっ壊す!(4回) 世間を悩ませてる受信料問題 (NHK) 一体どれたけの人が声を出せずにいるんだろう 知識の無い私を脅さないで (NHK) 待ち伏せなんかしないで(以下略) =====

山本一太の歌でさえ…

 通常、自身の思想信条を訴える場合には、熱いメッセージや権力への痛烈な批判を込めるものだ。  たとえば、政界きってのソングライターで、現在群馬県知事を務める山本一太氏(61)ならば、還暦過ぎてこの青臭さは困るというほどに、まっすぐに思いを伝える。楽曲にも自身の趣味が反映されているから、良くも悪くもそこにはウソがない。共感するかどうかはともかく、一応は山本氏の理念として受け取れる音楽になっているのだ。  だが、「NHKをぶっ壊す!」には、言葉を支える根底そのものがない。<NHKは勝手に電波を送りつけて集金に来るの?>という詞も、メッセージというより、ある立場からの言い分に過ぎない。不満を抱える一部の層にアピールし得る当てこすりではあっても、大半は政治活動の領分ではないと感じるのではないだろうか。  こうした不徹底は、だらしのない音の羅列にもあらわれている。7分弱に及ぶ曲は、AメロもBメロもコーラスもブリッジなどの構成もなく、グダグダな歌いだしがひたすらに続く。物を作る意思を放棄したような、そしてそのことに何一つ後ろめたさを感じていないような、不作為の不遜とでも言えばいいだろうか。
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もし紅白に出られたら…
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