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元ホストのワンオペ子育て術「“男の見栄”を捨てれば生きづらさは消える」

男同士のマウントの場には参加しない

絵心ゼロで描き始めた空の絵はSNSにもアップ。「ゼロから始めるものは、絶対に偉そうになれないから勉強になります」

 海猫沢氏は、オジサンの生きづらさは、まさにそのマウント、見栄に原因があるのではと考える。 「男同士で酒を飲むと、本音を話せることもあるけど、部活ノリっていうか、ターゲットを決めてイジったりとか、今の地位や経済状況をアピールし合う場になることも多いですよね。最近流行してるオンラインサロンも、基本は教祖モデルだし。もっと安全なホモソーシャル(男社会)……みんなでお茶を飲んで褒め合ったり、弱さを開示できる男子会みたいなのが広まればいいのにって思います」  弱さを隠さない姿勢は子供に対しても同様だ。

昔は寡黙な父親がよしとされていたけど今は違う

「僕らの父親世代は、背中で語る寡黙な父親像がよしとされていたけど、今は違うんじゃないかなって。カッコイイ父親は無理でも、イケてる父親って考えたら『面白い』とか『話しやすい』とかもアリなはず。たとえば僕は最近抜け毛が気になっているんですけど、毎日抜け毛の数を数えてグラフにして子供に見せたり、絵心ゼロなのに突然毎日空の絵を描き始めたり、弱いところや変なところを見せるどころではなく、子供に悩み相談もしてます。教育にいいのかは謎ですが(笑)」  弱さを開示することでむしろイケてる父親になれるのだ! <海猫沢氏のあゆみ> ’75年 大阪府生まれ ’93年~’95年 高校卒業後、溶接工、ホストなどさまざまな職業を経験 ’96年~’99年 食品会社のデザイナーとして働く ’99年~ 失業保険で上京し、派遣のデザイナーを経て、フリーのライター・デザイナーとして働く ’04年~ PCゲームのノベライズ『左巻キ式ラストリゾート』で作家デビュー ’06年 デイトレで全財産を失いホームレス状態。都内を転々とする ’07年~ シェアハウス生活開始。現在の妻と知り合う ’11年 長男が生まれる ’16年 熊本に移り住む ’18年 『キッズファイヤー・ドットコム』で熊日文学賞受賞 <イケオジ3か条> ●家事も育児も担うが完璧は目指さない ●男同士のマウントの場には参加しない ●子供にも自分の弱いところを開示する 【海猫沢めろん氏】 小説家。最近は、寝かしつけのときに横山光輝の『三国志』を読み聞かせるのがブーム。家事・育児を担う分、執筆時間は減ったが、「子供と密に関わるのもあと数年なんで」と受け入れることにした <取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/福本邦洋>
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