日本人にも多いマナー違反。試着時に気を付けたい点とは?
当然だが「困った客」は外国人だけではない。最初に挙げた「鏡を独占する客」は日本人でもよく見掛ける上、最近では写メで自撮りをしだす人もいる。通行の妨げになるというのもあるが、見ていてあまり気持ちのいいものではない。
とはいえ、自分たちも知らず知らずのうちにマナー違反をしていることがあるかもしれない。そこで試着時のマナーについても柏木さんに聞いてみた。

「羽織りもの以外は基本的にフィッティングルームでの試着をお願いしています。女性の方には化粧が付かないようにフェイスカバーの使用をおすすめしているのですが、面倒なのか付けてくれず、服に口紅が付いてしまってることも……」
また、商品を戻す際にも注意してほしいことがあると言う。
「試着後、商品を自分で戻す人がいるのですが、店員に渡してもらった方がこちらとしても助かります。中にはご自分でたたまれる方もいて、その気持ちはとてもありがたいのですが、結局はこちらで再度たたみ直すので」
ほかにも、型紙やカラー付きシャツの試着後はパーツの返し忘れがないかチェックしてもらえるとありがたいそうだ。
「そういえば、以前、顔中にピアスを付けた、いかついメタル系の人が来ました。無愛想な感じで怖かったのですが……」
彼が試着室に入った直後、「イタイイタイ……!」と低音の悲鳴が聞こえたという。
「驚いてカーテンを開けたら、試着したニットにピアスが引っ掛かってたんですね」
その後、引っ掛からないようにゆっくりと取るのを手伝ってあげたという。痛みは当人の自業自得だが、ニットに穴や傷がついてしまう可能性が高い。顔にピアス多数は珍しいが、耳の飾り物は気を付けた方がよさそうだ。
明確なルールがあるわけではない店舗での試着マナー。互いに少しずつ気遣うことで買い物はもっと楽しくなる。<取材・文/日刊SPA!編集部>