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スクラムって意味あるの? ラグビー初心者がスコットランド戦を10倍楽しく観戦するコツ

疑問4 解説は「ナイスキック」と言うけれど……

 自陣深くや中盤で膠着しなかなか敵陣を突破できない状況で、大きく前方にボールを蹴り出して、タッチライン(サイドライン)の外に出して距離を稼ぐのはラグビーの常套手段。ペナルティキック以外は、すべて相手ボールのラインアウトで再開するため、サッカーの感覚で見ていると「スローインに逃げただけじゃ……なんでそんなに称賛するの?」となる。が、蹴ったボールが「タッチラインの外に直接出たのか(ダイレクトタッチ)、ワンバウンド以上して出たのか」で状況は大きく変わる。  自陣の22mライン(白い実線が引かれている)より自陣ゴール側で蹴ったボールは、ワンバウンドしていようがしていまいが、ボールが出たところから再開…つまり、サッカーのスローインと同じだが、22mラインより中央寄りから蹴ったボールがバウンドせずにタッチラインを割った場合、プレー再開は「ボールを蹴った地点から相手ボールで再開」となり、状況が悪化することもある。ラグビーボールは楕円形の形状をしているため、球体のサッカーボール以上に操作が難しい。厳しい状況から綺麗なタッチキックで難を逃れた際、そのキッカーを称賛するのはそのためである。

疑問5 スクラムって意味あるの? 儀式的なもの?

 ノックオンやスローフォワードなどの「軽めの反則」やラック、モールなどの「密集時で膠着状態になる反則」の場合に組むスクラム。ルールブック的には「プレーの中断を、早く、公平な状態で再開するため」とある。が、フォワード8人のすべての力が連携するスクラムは、「両チームのフォワード力を推し量るベンチマーク」と捉えれば、単なる儀式ではなく見方も変わってくるはず。  実際、スクラムが強いチームが相手を押して、ボールを奪うことも、そのままトライをとることもある。先のサモア戦でボーナスポイントの欲しい日本代表は最終盤、ペナルティキックではなく、マイボールでのスクラムを選択した。結果はスクラムから展開してトライとなったが、そのまま押し込んでスクラムトライを狙うというプランもあったのだ。

ポイントがわかれば試合会場での観戦も楽しくなる(筆者撮影)

 その他、「どうして楕円形のボールなの?」「なぜボールを回転して飛ばすの?」といった素朴な疑問もあったが、今回は、ラグビーというゲームをよりわかりやすく、熱く観戦するためのポイントに絞って解説してみた(それぞれの疑問に回答するなら、前者は「ボールを持ちやすいから」、後者は「回転したほうが遠くまで速いボールを投げられるから」)。スコットランドがロシアに61-0で快勝したことで、ベスト8進出をかけたリーグ最終戦は、より熱戦の期待できる試合となった。選手やポジション別の役割など、「ラグビーを10倍楽しむ」ための知識はまだまだあるが、まずは今回紹介した5つのポイントを押さえて、日本代表の奮闘を応援したい。<文/イソップ磯吉(ラグビー観戦歴24年)>
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