ジャケットの襟に付いたボタンホール。中世ヨーロッパでは花を挿していたそうです。その名残から「フラワーホール」と呼ばれ、今もジャケットの襟には穴が残っています。そして、「ブートニエール」と呼ばれる花のかたちをした小物が女性から反応良いのです。 　これは百貨店のネクタイ売り場で販売されていることが多く、素材・形・色などはさまざまです。そんななかでも、白いブートニエールはジャケットの色を問わないので、合わせやすいです。 　スーツに小物で飾りをつけることは、男性にはあまり馴染みがない感覚ですが、女性からの反応は想像以上によくなります。女性が「カワイイ」、「おしゃれですね」と思わず言ってしまうようなワンポイントとなり、女性との雑談のきっかになるコミュニケーションツールの役割も果たしてくれます。 　アクセサリーという性質上、カジュアルさがあるので、エレガントなスーツより、オフィスカジュアルのジャケパンのほうが合わせやすいでしょう。「『できる人たらし』は会話の種を服にも仕込む」のです。 ――――― 　重ね着をする秋冬は、女性が反応しやすいビジネスアイテムを取り入れやすい季節です。 　以上の3アイテムは、私が実際にクライアントの買い物に同行し、後日「女性から反応がありました！」という報告をいただいたものを集めて紹介しました。ビジネスファッションの自由化が進んだ今、コミュニケーションツールとして服を捉えてみてはいかがでしょうか。 ＜TEXT／森井良行　イラスト／片倉航＞“あなたのお抱えスタイリスト”として、その違和感を言葉で可視化する。著書『38歳からのビジネスコーデ図鑑』（日本実業出版社）など5冊。MENSA会員。公式サイト「エレカジ」では、80件を超えるコーディネート事例を公開。