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台風19号で夫婦喧嘩…災害は離婚の危機になりうるのか?

台風直撃の間ずっと息子夫婦の喧嘩の仲裁

 30代の息子を持つ下山絵里さん(仮名)は、「台風のせいで窓がバンバン音を立てて揺れ、避難勧告がピーピー言う中、3時間も息子夫婦の喧嘩の仲裁をしていました」と話す。 「息子には3人の子どもがおり、一番下は生後1か月をやっと過ぎたところなのですが、台風が過ぎたら上の子ふたりを連れて遊びに行くと息子が言い出し喧嘩となったようです。嫁は息子に対し、まだ危ないし自分一人だと不安だから家にいてほしい、息子は危機管理と責任感がないと怒っていて、そんな喧嘩の様子をなぜか私が電話をスピーカーにした状態で聞かなければならない状態に……。なぜ、私に仲裁を求めるのか! という疑問はありましたが。電話がかかってきた時も『私が仲裁に入っていいの?』と一応確認しましたが……謎です」  嫁側の立場で考えると、姑に対し夫婦喧嘩を聞かせるというのはよほど普段からのコミュニケーションが取れており信頼関係が構築できていないとできないように感じるが……。結局、仲裁することはできたのだろうか。 「嫁は慎重で息子は楽天的。そこが相容れない部分だと思います。息子はちょっとでも上の子を連れ出して嫁を休ませてやりたいということだったようです。嫁は家にいて家事も手伝って子どもの面倒を見て欲しいという意見だと思います  私はどちらの言うことが良いとか悪いではなく、お互いに言葉が足りないと諭しました。結局、お互いに少しずつ譲歩した頃には、台風は静かになっていました(笑)。子どもも生まれたばかりですし、後日息子には『もう少し嫁の体調をおもんばかった言動と行動を』と、冷静になったところで助言をしておきました」  なんという中立的な姑だろうか。冷静に話を聞き、助言をくれるからこそ息子夫婦もつい、仲裁をお願いしてしまったのかもしれない。
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災害は離婚の危機になりうるのか?
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インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA

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