では、なぜ2000円で返礼品がもらえるのでしょうか。 　ふるさと納税で自治体に寄附をすると、“ある上限額まで”ですが、寄附金額から2000円を引いた残りの額すべてが翌年の住民税などの税金から控除（差し引き）されるのです。 　例えば5万円寄付した場合、4万8000円は翌年の税金から天引きが減る形で返金されるので、実質2000円の負担だけで返礼品がもらえると言えるのです。 　手続きは、寄付した後に届く「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に記入して、ポストに入れるだけで完了します。これは「ワンストップ制度」といい、ふるさと納税の寄附に限り、特例で確定申告をせずに控除が適用になるというものです。 　つまり、ふるさと納税は、 寄付する→返礼品が届く→手続きする→翌年の税金が安くなる 　という仕組みになっています。 　先ほど“ある上限額まで”は2000円を引いたすべての寄付額が翌年控除される、という話をしました。 　その人が受けられる上限額は家族構成と年収で変わります。子持ちよりも夫婦、夫婦よりも独身、また年収が高いほど寄付上限額は高くなります。 　具体的な寄附の上限額が知りたければ、ふるさと納税サイトなどの「控除上限額シミュレーション」で簡単に算出することができます。 　例えば、年収300万円で独身であれば、2万7000円までの寄附が可能となります。調べてみると、1万円の寄附でもA5ランクの佐賀牛400gや稚内産紅ズワイガニ500g、上限ギリギリの2万5000円の寄附では高級旅館の会席＆入浴のペアチケットがもらえるようです（2019年10月時点）。 　その他にもたくさんの高級返礼品があるので、調べてみましょう。 　ふるさと納税の仕組みは、会社の株や証券を買い優待をもらう感覚に近いかもしれません。しかし、株や証券では購入するには一般に数十万円かかり、すずめの涙ほどの優待しかもらえません。 　また、値下がりをすると元のお金すら戻ってこないリスクすらあります。それに対し、ふるさと納税では1万円や2万円の寄付で自治体自慢の豪華な返礼品をもらうことができるのです。 　しかも確実に税金で控除されますので、上限額など気を付けるところはあるにせよ、リスクはゼロと言えます。まさに、ローリスク・ハイリターンの制度なのです。 ＜TEXT／内田綾子（「ふるさと納税ナビ」編集長）＞