更新日:2023年04月27日 10:18
エンタメ

嵐・大野も注目、SNSで人気の「さかな芸人ハットリ」とは何者? 本人を直撃

早稲田大学まで出たのに…心が折れそうになることも

さかな芸人ハットリ しかし、魚キャラ1本で行くことを決めたところですぐに売れるようになったわけではない。「せっかく大学まで行かせたのに」と親から何度も就職を促されることもあったし、自身の中でも葛藤があったという。 「バイトしなければいけない時期もありましたが、やっぱりお笑いで食えてる!と言いたかったのはあります。だからこそ『自分で釣った魚以外食べない』チャレンジで食いつないでいたのかもしれませんね。やむを得ずバイトをする場合も魚につながること、水族館や魚メインの居酒屋などを選んでいました。その居酒屋でもお客さんの前で芸を披露したりして」  お笑い芸人を志していても挫折する人が多い中、心が折れることはなかったのだろうか? 「お客さんからつまんねぇんだよ!と言われ続けることもあって、精神的に辛い時期はありました。でも悔しい気持ちがあったからここまで来れたのかもしれませんね。満たされてしまったら人間、頑張れないと思うので」  そんな踏ん張りが実を結び、2018年の「300種類の魚を釣るまで、自分で釣って調理した魚以外、食べないチャレンジ」をきっかけにアメトーーク!に呼ばれた頃から、NHKへの出演、NMB48や所ジョージと共演するなど活躍の場を広げることに。地道に続けていたYouTubeへの投稿もチャンネル登録者数が徐々に増えて行った。  気になるのは持ちネタの「魚の名前で○○」シリーズをどうやって考えているか。ただ単に似た響きの魚の名前を当てはめているわけではない絶妙なラインのチョイスが持ち味だ。 「歌詞に魚の名前の母音を合わせるだけならラクだけど、それでは面白くない。このワードは長めの名前をここで入れると面白いぞ、と思ったり、ふっと魚が降りてくる瞬間があったり。曲や元の歌詞と絶妙にフックする場所があるかを大事にしていますね」  ネタ作りは2週間から1か月かけてじっくり行う中で、意外にも歌詞はすぐに思いつくのだが「絵を描くのに時間がかかるんですよね~」と苦笑いする。そんなこともあって、最近の悩みは……。 「絶対音感ならぬ“絶対魚(ギョ)感”(笑)。なんでも魚の名前に聞こえるというか、脳内で変換してしまうんですよね。“あなたに”ならアマダイ、“必ず”はカワマスって具合に」 さかな芸人ハットリ そんなさかな芸人ハットリの今後の夢は? 「外来種問題について取り組みたいですね。ブラックバスやブルーギルが増えすぎていることが問題になっていますが、実はブラックバスは食べたら美味しいんですよ。僕は人生でブルーギルは100匹、バスは30匹くらい食べたことがありますが、ブラックバスって水質さえよければニジマスより美味しいんです。お笑い芸人として、ギスギスした感じではなく楽しみながら、そうした魚にまつわる問題をコミカルに啓蒙していきたいですね」  ……えっ!ニジマスより美味しいってマジ!? と魚にそこまで興味のない筆者も思わず魅せられてしまった。確かに興味がない人にも興味を持たせる話術と芸はお手のもの。将来的には水族館で魚の解説なんかもやっていきたいのだとか。そんな“出世魚”、さかな芸人ハットリからこれからも目が離せない。<取材・文・撮影/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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