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ロックバンド「すかんち」の軌跡を振り返る…死去したドクター田中さんに合掌

バンド解散、再結成…そしてベーシストのShima-changに訪れた試練

 やがてすかんちはドクター田中さんの脱退を経ながらも、13枚のシングルと6枚のオリジナルアルバムを残し、1996年に解散。メンバーたちはそれぞれ別の道を歩み始めたが、2006年と2007年には再結成してライブを行っている。ライブ会場限定ではあるものの、2006年には待望のニューアルバム『SCANCH’N ROLL SHOW II』も発売した。  ところが2009年11月、バンドを不幸が襲う。Shima-changが自宅マンションの階段から落ちて頭を強く打ち、脳挫傷を負ってしまったのだ。  だが、すかんちメンバーたちの絆は固かった。再びステージに戻るべくリハビリに励むShima-changへの見舞い金を募るため、バンドは2010年に「好き好きダーリン、Love Love Shima-chang~やっぱりあなたはアイドルよ~TOUR」と題した全国ツアーを敢行する。  2013年2月には渋谷公会堂でライブし、Shima-changも車いすに乗って登場。まだベースを弾けるまでには回復していないながらも、甘い歌声を響かせた。すかんちは昔から、メンバーたちの美しいコーラスワークにも定評があったのである。
結成30周年TOUR Final!

Shima-chang復活の舞台となったライブは「結成30周年TOUR Final! アメイジングすかんち2013」としてDVD化されている

2人のメンバーを失ったすかんちが向かう先は…?

 しかし2014年6月、ドクター田中さんの後任としてキーボードを担当していた小川文明さんが53歳で死去。そして今回のドクター田中さんの訃報と、すかんちはバンド結成からの約37年間で、2人のメンバーを失ってしまった。  とはいえ存命のメンバーたちは、すかんちを風化させるつもりはないようだ。例えばROLLYは、今年9月に大阪で開かれたロックフェス「夏の魔物2019 in OSAKA」に出演し、すかんちの1stアルバム『恋のウルトラ大作戦』(1990年)の頭4曲を再現して演奏。彼らが生み出した名曲の数々は、今も人々を熱狂させている。
 いつかまた、サポートメンバーを迎えるなどして、すかんちとしてのライブが開催される日が来るかもしれない。すかんちをリアルタイムで追っていた人も、最近知ったばかりだという人も、彼らの音源や映像作品に触れてみてはいかがだろうか。<文/A4studio>
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