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“今年一番輝いていた女優”、テレビマンが挙げた5人の急上昇株

 2019年も数多くのドラマが放送された。近年、視聴率低下から“ドラマ離れ”が叫ばれている一方で、AbemaTVや配信ドラマ、さらにSNSドラマなどが登場し、コンテンツの数でみると増加傾向に。そんな中で、今年もヒットドラマが何作も誕生した。
監察医 朝顔

画像:監察医 朝顔(フジテレビ)

『あなたの番です』(日本テレビ系)や『凪のお暇』(TBS系)はSNSとの親和性の高さや見逃し配信などで話題になった作品。また、『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)のような重厚なドラマや月9のイメージを変えた感動作『監察医 朝顔』(フジテレビ系)などが評価されて高視聴率をマークしたのも印象的だった。  こうしたヒット作をはじめ、話題となった作品すべてに共通していたのは、演技力の高い実力派の女優が出演していたということだ。  そこで今回は、今年頭角を現した若手女優や今までは違った存在感を見せた人気女優など“今年スゴかった女優”をさまざまな業界人に独自の切り口で語ってもらった。

サイコな演技で大ブレークの奈緒、庶民派の代表格・多部未華子

 まずは、キー局のドラマ制作会社で働き、現在はフリーのプロデューサーA氏に聞いてみた。
「全くの無名に近い状態からのブレークでいえば、『あなたの番です』(日本テレビ系)で尾野幹葉を演じた奈緒さんでしょう。他人のボタンを舐めたり不気味に笑ったりするサイコキャラを見事に演じていましたからね。清純な役もできそうですし、来年中に深夜枠で主演クラスの話もあると聞いています」  さらにA氏は、すでに人気を誇っている女優の名前も挙げた。 「『これは経費で落ちません!』(NHK)で主人公のアラサー女子・森若沙名子を演じた多部未華子さんの評価が爆上がり中です。『デカワンコ』『ヤスコとケンジ』(いずれも日本テレビ系)など、かなり変わった役どころが多い女優でしたが、今回は堅物で奥手のOL。視聴者に共感してもらえる素朴さを残しつつ個性も出していたのが、さすがでしたね。今後、お仕事モノドラマをやるときの第一候補は多部さんになっていると思います。綾瀬はるかさんや石原さとみさんでは、どうしてもコメディになってしまいますから(笑)」

存在感と演技力が光る趣里、コミカルな演技が魅力の深川麻衣

 キー局の若手ディレクターB氏にも話を伺った。
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第5話 ゲストのおしらせです 人気お笑い芸人の娘役として #趣里 さんが登場です! 普段は可愛いのに、父の相方の話となると、邪悪オーラを発する強烈キャラ! 自身もお笑いが大好きだという #趣里 さんが、 #大九明子 監督とのタッグで、時効ワールドに初挑戦です。 そして伝説のコント師役で、 #空気階段 もコンビで登場! 「時効警察という歴史あるドラマに! お笑い芸人という現実と同じ役柄で出演させていただき! 死ぬ前走馬灯確実イベントです!」と、喜びのコメントをいただきました。 11月15日(金)よる11:15〜放送です。趣里(夏歩・役) コメント ――『時効警察はじめました』への出演オファーが来たときのお気持ちをお聞かせください。『時効警察』が復活することに「わ~っ!」と心が躍った上に、まさか自分が呼んでいただけるとは思っていなかったので、すっごくうれしかったです! ――趣里さんの出演回はお笑いを題材にした物語。台本を読んで、どう思いましたか?実は私もお笑いが大好きで、共演したお笑い芸人さんのライブもよく見に行っているんです。今回の台本も面白くて、“お笑いってやっぱり世界を救うな!”と思える内容になっていたので、楽しんでどんどん読んじゃいましたし、夏歩を演じることが楽しみでした。 『僕とシッポと神楽坂』(2018年)でご一緒した尼神インターの渚さん主催のライブを見に行ったとき、すごく強烈なキャラの皆さんが舞台に登場したことを思い出して、「これは私もキャラクターで行かないと!」と思いましたね(笑)。――殺された芸人の娘で、かわいさと邪悪な顔を併せ持つ夏歩を演じる上で心がけたことは?二面性は誰もが持っている部分。夏歩の場合は、殺されたお父さんやお笑いへの愛が芯にあるので、そこだけブレなければどんどん変化して、いろんな面がもっと生まれてもいいのかなと思いました。ちゃんと表裏があった方が人間らしいですしね(笑)。夏歩はその裏表の落差が激しいですが、楽しんで演じられたらいいなって思いました。あとは、共演者の皆さんとのやりとりを楽しめればいいなって。皆さん、濃いので楽しいです。私も皆さんにお芝居を引き出していただいている感じで刺激的でしたし、全力で演じさせていただきました。――第5話の脚本・監督を担当する大九明子監督と趣里さんは、過去に何度もタッグを組んでいます。大九監督は、趣里さんにとってどんな存在ですか?映画のオーディションで出会って以来、大九さんが引っ張ってくださった感覚がずっとあって…。この間も一緒にご飯を食べに行きましたし、メールのやりとりもさせてもらっているんです。私にとって心の支えです! 大九さんは現場でめちゃくちゃカッコよくて、ずっと憧れの存在なんですけど、今回は“特にカッコいい大九監督”でした。――第5話の撮影中、印象に残っているエピソードを教えてください。撮影初日がものすごく暑い日で、オダギリ(ジョー)さんが差し入れてくださったかき氷を、3杯食べました(笑)! おいしかったです。おかげで、エンジンがかかりました。オダギリさん、本当にありがとうございます。今回が初めましてでしたが、緊張していた私を自然体で迎えて馴染ませてくださる、とても素敵な方で、ますます尊敬しました。すごくチャーミングな麻生(久美子)さんや、本当に話しやすくてかわいい吉岡(里帆)さんとも、また共演することができてうれしかったです!#時効警察はじめました#オダギリジョー #麻生久美子 #吉岡里帆 #磯村勇斗#

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「趣里さんです。お父さんは水谷豊さん、お母さんは伊藤蘭さんという超サラブレッドですが、“二世だから”というひいき目を抜きにして、演技力と存在感がグンを抜いていました。『モトカレマニア』(フジテレビ系)の加賀千鶴役も『時効警察はじめました』(テレビ朝日系)の村瀬夏歩役もそうですが、出演シーン以上のインパクトがある女優だと思います。それから『まだ結婚できない男(フジテレビ系) で戸波早紀役を熱演している深川麻衣さん。キュートでコミカルな演技は荒削りですが、見ていて嫌みさがない。今後にもっと期待したいです」
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脚本家が推すのはあの若手女優
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テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

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