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50代で貯金わずか21万円の男性。11回もの転職がアダに…

●お金が貯まらない人のリアルな生活パターン  お金が貯まる人、貯まらない人の違いは? 総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」の2019年4~6月期平均結果(二人以上の世帯)によると50代の平均貯蓄は1756万円。そこに遠く及ばない実例から、お金が貯まらない理由を考えてみよう。
10年後貧乏になる人の習慣

守野増治さん(仮名・54歳・未婚)貯金21万円

50代で貯金21万円なのは「思い当たるフシだらけ」

社会福祉施設職員 守野増治さん(仮名・54歳・未婚)貯金21万円 「カネが貯まらない理由ですか? そんなの思い当たるフシだらけで挙げていったらキリがないですよ」  そう語るのは、デイサービス施設の運営管理スタッフとして働く守野増治さん(仮名・54歳)。実は、若い頃から転職を繰り返し、その数なんと11回。それがネックとなり、30代半ばからは正社員では職に就けず、ずっと契約社員など非正規での採用だったという。 「上司との折り合いが悪かったり、仕事の内容に飽きたという理由で簡単に会社を辞めていました。そんな調子だから給料の安い仕事にしかありつけず、今の職場では契約社員を経て2年前から久々の正社員に登用されましたが、年収はたったの280万円。あと6年で還暦なのに老後資金どころか貯金は20万円ちょっとしかありません」  貯金専用口座の残高は、21万8883円だ(11月上旬時点)。

予期せぬ出費で大ダメージ!

10年後貧乏になる人の習慣

自損事故で愛車は廃車処分に。通勤用だったため、買い替えを余儀なくされたことで、なけなしの貯金がほぼなくなってしまった

 本人は毎月の給料から2万円ずつ貯めていると話すが、それにしてはあまりに少なすぎる。 「身内の冠婚葬祭が続いたり、自損事故で車の買い替えをすることになったり、予定外の出費が重なってしまって……」  自損事故で愛車は廃車処分に。通勤用だったため、買い替えを余儀なくされたことで、なけなしの貯金がほぼなくなってしまった。  もし同じ会社でキャリアを重ねていたら今より年収が多かったはずだが、今さらそれを言っても始まらない。  しかも、守野さんは健康状態もよろしくなく、完全なメタボ体形で髪はいつもボサボサ。服もここ数年はまったく買っていない。 「正直、自己管理とかは苦手ですね。ご飯もスーパーの半額総菜ばかりで、バランスの取れた食事とは程遠い。朝食も面倒で1週間のうち半分は食べずにそのまま仕事に向かっています」
10年後貧乏になる人の習慣

貯金専用口座の残高は、11月上旬時点で21万8883円。アラフィフ男性の貯金額としてはあまりに少なすぎると思うが……

 支払いなどの滞納はないそうだが、家計簿などをつけているわけではない。そもそも買い物をしてもレシートは捨ててしまうとか。 「ちゃんとしなきゃとは思いますが、長年の生活習慣を変えることができなくて。貧乏で将来に不安しかない50代を迎えるとわかっていれば、もっと自分を律して生きるようにしたんですけどね」  と、後悔している守野さん。なんとか再起してほしいものだ。  統計によると、男性では、転職によって賃金が増えた人が38.0%、減った人が37.3%と、トントンだ(厚生労働省・平成27年「転職者実態調査」)。だが、45歳を過ぎると転職で賃金が減る人のほうが多くなる(同、男女計)。  また、転職先が正社員以外だと、賃金が増えた人が33.7%、減った人が45.1%と、減る人のほうがずっと多くなる(同)。  短いキャリアで何度も転職することで、正社員で採用されず非正規社員になり、いったん非正規になると正社員に戻るのは難しくなる。そして非正規のまま転職を繰り返して収入が減っていくーー。  この転職減収スパイラルに入ってしまうと、「50代なのに貯金がほとんどない」という状況が待っているかもしれないのだ。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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