更新日:2019年12月16日 14:54
仕事

転職6回・48歳男性が“嘘求人”に振り回されても「焦りはない」ワケ

人間関係のトラブルのたびに転職を重ねて

Mさん 現在、7つ目の職場で働くMさんだが、なぜ何度も転職を重ねてきたのか。「こういう話をしていると口うるさいタイプに思われるかもしれませんが、仕事中は外見や雰囲気的に静かで大人しいタイプで、パワハラのターゲットにされやすかった」と話す。  今の職場でも別の職場でも「Mさんを軽く見て、ちょっかいを出す人が多いんじゃないか」「時々、“牽制球”を投げなくちゃダメですよ」とアドバイスされたこともあります」とのことで、Mさんは待遇面だけでなく、上司からのパワハラや人間関係のトラブルが直接的な原因やきっかけとなって転職に至ることも多かったらしい。  実は7つ目の職場である現在の職場とも関係がこじれ、退職する決意を固めたという。 「他社の内定を辞退して入社したのに、特に求人票の内容に嘘が多く、予想していた年収よりも72万円も引かれていて。基本給を減らされているので、残業代やボーナス、退職金も変わってくる」
求人票と現実の相違

赤文字は求人票と現実の相違。年収は当初の予想より約72万円も少ない

Mさん

「他にも去年ボーナス2.0ヶ月だったことを3.0ヶ月と書いたり、それだけで年収30万円くらい変わります」

 とはいえ、Mさんは仕事自体に不満はなく、我慢して長く働こうと思っていた。そんなときに“ある事件”が起こる。 「セクハラ事件をでっち上げられて始末書を書けと言われて、会社と揉めています」  急に雲行きが変わったが、Mさんが女性社員と飲み会の場で話していた内容を、後日、同席していた別の女性社員の数人が問題視したそうだ。  ちなみに筆者はMさんと“素人投稿系エロ本の非常に熱心な読者”として知り合っており、詳細は割愛するがSNSで積極的に知らない女性に絡むような人物なので、正直、セクハラ周りの話に関してはいまいち信用できないのだが……。 「私は総務の課長候補で入ったので、新人いじめの一面も多少はあるのかもしれないと思っています。職位が高い候補で、給料も高そうな中途の新人が、長年在籍している人からいじめられる話はよく聞きますから」というのがMさんの主張。  職場でのコミュニケーションに問題はないのか率直に聞いてみると、「職場の人間関係は至って普通ですよ。これまで働いたどこの職場でも味方はたくさんいたし、今も連絡がとれる人は少なくない。私の場合、問題がこじれるきっかけは決まっていて。騒ぎ立てる女性社員を鎮めるため、ろくにこちらの言い分も聞かず、処分しようとする上司に当たることが多いんです。  都合のいい言い方かもしれませんが、私の前にも別の男性社員がパワハラやセクハラで始末書を書かされていたみたいですし、今回も私に始末書を書かせて早めに片付けたかったのでしょう」との考えを述べていた。
診断書

「セクハラの件などでメンタル的にも参ってきたんで、一応診断書もとりました」

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転職を繰り返すも精神的には余裕
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

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