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結婚報告で帰省も70歳の父が不在「お父さん、逮捕されて…」

 年末年始ともなれば、普段は帰省が億劫な人でも、年に一度と言わんばかりに、地元に戻る。段々と、高齢化する両親の姿に、『将来はまた地元に戻ろうか…』というような心配も頭によぎるようだ。
帰省ラッシュ

写真はイメージ(以下同じ)

 両親の健康状態も含めて、実家の状況確認をするために斎藤健司さん(仮名・39歳)は、数年ぶりに帰省したという。

家庭環境が原因で、実家と疎遠

 斎藤さんは、子どもの頃に父親が再婚したのもあり、高校卒業後はあまり実家に帰省をしていなかったそう。 「僕が6歳の時に、母が病気で亡くなっているんです。そのため、父と二人で暮らしていたのですが、中学の時に父が再婚しました。義理の母もいい人だったのですが、なんとなく居心地が悪くて。  高校卒業後は、東京にある専門学校に進学をしました。それ以降、実家にはほとんど帰省はしていません。たまに母に電話で連絡をしていましたが、親父とは交流がありませんでした」  普段はプログラマーとして働いている斎藤さん。仕事が忙しいのもあり、実家と距離を置いていたという。しかし、自身の結婚を機に、実家に帰省しようと決意したそうだ。 「去年、40歳を前に結婚したんです。まさか、この年齢になって結婚するとは思わなくて、入籍だけのジミ婚にしました。そのため、両親には電話などで簡単な報告だけで済ませていました。妻には、僕の家庭の事情も伝えていました。すると『自分とも家族になるのだから、挨拶がしたい』と言ってきたんです。僕の実家は北関東なので、日帰りで行けるから、すぐに挨拶も兼ねた帰省をすることになったんです」

結婚報告をしに帰省。実家に父不在の理由は…

お酒イメージ 斎藤さんは、おとなしい性格の自分とは違い、お酒が好きで明るい性格の父が心配だったそう。 「父は、お酒を飲むと歌いだしたり、周りの人に話しかけたり、気が大きくなるんです。家族が介抱をしないと豪快になるところがあったので、母には『親父にお酒は飲ませないで』とくぎを刺しておきました。母は、『はいはい』という感じで聞き流していました。父の健康状態も気になったので、『親父は元気なの? 』と母に聞くと、『健康診断の結果はガンマが高い』と言っていましたが、特に変わったところはなさそうでした」  久しぶりの実家に、妻と一緒に帰省した斎藤さん。結婚報告も兼ねていたため、緊張していたそう。しかし、部屋中探しても、なぜか父の姿が見当たらなかった。 「最初は、どこか出かけているのかなと思ったんですが、なかなか帰ってこなくて。『あれ? 親父は』と聞いたら、暗い表情で母が『実は父さん…』というので、“これはもしかしたら、治らない病気になったのかも”ということが頭をよぎりました。親父も70代なので、覚悟しましたね…」  しかし、その次に出た言葉は「父さん、スピード違反で逮捕されたの」だった。 スピード違反イメージ 「昔も、家族で出かけた時にスピード違反で捕まったことがあったんです。父は、高級車などには興味はなかったんですが、車好きで中古車をよく乗り換えていました。ちょっとスピード狂なところがあり、運転が荒い。近所も車で行くくせに、運転マナーが悪いんですよ。  今回は、覆面パトカーの追跡を振り切り、家までカーチェイスを繰り広げた結果、家にたどり着いたところを逮捕されたようでした。警察の制止を振り切って逃走しようとするなんて、元気ですよね」  あきれ顔の斎藤さんだが、同行した妻から、どういわれるか不安だった。しかし、逮捕という事態に笑っていたという。 「その後すぐ親父は、保釈されて帰ってきましたが、落ち込むこともなく、飲み始めました。僕の妻にも『息子より俺の方が男前じゃないか』と言っているのを見て、驚きました。まだ現役だと思っている態度に、親父越えは無理だなと感じましたよ」  斎藤さんは、介護や病気の心配がなくてほっとした半面、まだまだ何かしそうな父の姿にヒヤヒヤしているそうだ。帰省は、電話やメールだけではわからない、両親がどのように暮らしているのかを知る、よい機会かもしれない。<取材・文/池守りぜね>
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