「クレジットカードで納税」は損? ポイントは貯まるけど…
次にデメリットについて。最大のデメリットはクレジットカード納付をすると、「決済手数料」がかかるということです。決済手数料の金額は、納付税額1万円あたり76円(税抜)です。消費税10%を加味すると、納税額に対する決済手数料の割合は約0.83%となります。
前述した、現金納付や振替納税などを行った場合、決済手数料はかかりませんから、これはクレジットカード納付だけのデメリットと言えます。ですから、たとえポイント還元を受けられたとしても、かえって負担額が大きくなるケースが考えられるのです。
一般的なクレジットカードのポイント還元は0.5%程度。なかには還元率が1%を超えるケースもありますが、基本的にはクレジットカード納付から得られるポイントよりも、決済手数料のほうが高くなる計算です。
このように考えると、クレジットカード納付は確実に得する納税方法ではないことがわかります。もしクレジットカード納付を利用するのであれば、事前にクレジットカードのポイント還元率を確認して、確実に決済手数料よりもポイント還元が上回ることを確認してからにしておきたいところです。
また、国税庁のホームページでは、「ポイントについてはカード会社の会員規約に基づきますので、カード裏面に記載されているカード会社へお問い合わせください」との注意書きが記載されています。クレジットカード納付を行って、決済手数料を取られた上にポイント還元も受けられないのであれば、確実に損ですから注意してください。いずれにせよ、3月15日の期限までに、余裕をもって納税方法を検討し、準備しておきましょう。2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。2017年7月、東京国税局を辞職し、フリーライターに転身。書籍や雑誌、ウェブメディアを中心とする精力的な執筆活動に加え、お金に関するセミナーを行っている。『僕らを守るお金の教室』(サンマーク出版刊)、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社刊)ほか著書多数。公式ホームページ
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