更新日:2023年05月18日 16:30
恋愛・結婚

AV、キャバクラ…20代の大半を水商売に捧げた女性が人生を取り戻すまで

AVの世界を断念したはずだったが…

 一度はAVの世界を断念したはずだった。ところが、思わぬところからオファーが入る。 「コスメの販売員の元同僚から久しぶりに連絡があったんです。彼女が『実はAVをやっている』とラインで打ち明けてきたので、『私も過去に入りそうになった』と返信すると、『事務所に遊びに来ない?』と誘われたんです。好奇心にかられていってみたら、その場で契約して、2日後に撮影をしていました」 撮影 勧誘は実に巧妙で、とにかく不安を取り除こうとするものだったとか。「それで何が不安なの?」と尋ねてくる。答えるたびに「名前が出ないから」とか、「あなたとばれない様にするから大丈夫」など、かおりさんの不安を次々と払しょくし、あれよあれよと撮影に参加。24歳でデビューした。 「1本撮り終わってから、腹をくくりました。1本も10本も、出演したことに変わりない。だったら、とことんやってみようと決めました」 「腰を上げるまで時間がかかるが、いざ決めると全力でやるタイプ」と自己分析をするように、かおりさんは素人系やロリ系で、2か月で30本の撮影に臨んだ。そして3か月目に、再び転機が訪れる。 「違うプロダクションの人から、『ぶっちゃけ、どのくらいもらっているの?』と聞かれたので、クレジットが入る企画単体物で1本10万円、絡みなしで3万と答えると、『うちのほうがもっと出せるよ』と勧誘されました。そして事務所を変えました」  3つめの事務所では、単体を目指すことになった。「グラビアをやっていた子がAVをやる」という触れ込みで、グラビアを数本撮ってから、単体専属で再デビュー。1本50万円から60万円のギャラだった。 「事務所はとても大事にしてくれました。4年ほどいましたね。でも30歳を過ぎた頃からキャラクター的に伸び悩みがあって。そこで4つ目の事務所に移転しました。人妻キャラに強い事務所です」  だが、そのころからAVに対する情熱が冷めてしまっていたと彼女は話す。若さが失せていき、「このままではいけない」という焦りと、「まともに生きたい」という願望が芽生えたのだという。 「その頃、業界の人のコネクションで交際クラブの運営スタッフの仕事を紹介されて、AVをやめました」
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過去があるから、今があるのだと思う
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コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪

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