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副業会社員が確定申告で気をつけたい3つのポイント

③経費の説明責任は納税者、立証責任は税務署

 そして税務署が追徴する場合、事実関係の立証責任は税務署にあります。ただ、確定申告で経費にしたのは納税者ですので、経費にした根拠・理由は納税者にも説明責任があります。なぜなら、必要経費にした内容を一番知っているのは本人だからです。  確定申告書を税務署に提出して、控えが手元に戻ってきて、「これで自分の申告内容が通った!」と思っている方がいるかもしれませんが、これは間違いです。税務署では毎年、確定申告書が2000万人以上分提出されます。限られた時間内に受け付け、データ入力を完結させて、地方税当局にも情報提供(住民税の通知が6月)する必要がありますので、形式的な記載ミスがなければいったんは受け付け、後日詳しく確認されるからです。  また、還付金額が大きい申告については即還付はしないで「還付保留」という措置をします。還付申告者に接触(電話、文書または調査)して還付の事実確認をしてから還付するという、合理的な手続きをしています。  税務調査というフィルターをクリアしてようやく「確定申告問題なし」ということになりますので、客観的にみて「これならいけるだろう」という理論武装していただくことが大事です。初めて確定申告をされる方は、この部分に留意して無駄な損をしないようにして頂きたいと思います。 <文/佐藤弘幸> 仮想通貨脱税
元国税局勤務。現税理士。プリエミネンス税務戦略事務所代表。国税職員時代には東京国税局課税第一部課税統括課、電子商取引専門調査チーム、統括国税実査官(情報担当)、課税第二部資料調査課、同部第三課に勤務。電子商取引事案、海外事案など、大口から悪質なものまでさまざまな税務調査を担当。1月下旬、実在の仮想通貨の脱税事件をモデルにした金融小説『仮想通貨脱税』(扶桑社)を刊行。ほか著書に『国税局資料調査課』(扶桑社)、『税金亡命』(ダイヤモンド社)などがある。TV、雑誌のコメンテーターとしても活躍している。

仮想通貨脱税

作家・橘玲氏も推薦! マルサを超える国税最強部隊「資料調査課」出身の著者が描く緊迫の金融小説が誕生。

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