副業会社員が確定申告で気をつけたい3つのポイント
副業で収入を得ることが当たり前の社会になろうとしていますが、会社で正社員として働きながら副業で収入を得ている方は確定申告をする準備はお済みでしょうか。
副業の所得(収入から必要経費等を引いた課税所得)が20万円を超える人は税務署で確定申告を行う必要があります。確定申告が2月17日から始まりました。当記事では、副業による所得があるサラリーマンが確定申告をする際、気をつけたい3つのポイントをお伝えします。
確定申告に関するネットの情報、たとえば匿名ブログや掲示板の書き込みには目を疑うようなものが散見されます。税理士のホームページやブログならいいのですが、過去の小さな成功体験や、たまたま税務署が見逃したような事例、またはそもそも税務調査を受けておらずに課税の可否についての判断がないものは要注意です。
サラリーマンの副業で過去に問題になったものとしては、「副業を赤字にして税金還付をうけられる!」と、あたかも簡単に税金を取り戻せるように書いた記事がありました。
所得税法では、給与所得が黒字、事業所得が赤字の場合、所得計算上の相殺(損益通算といいます)ができます。相殺すると所得が給与所得よりも低くなり、会社で年末調整したときの所得で計算した税金と、相殺後の所得で計算した税金の差額について、確定申告することによって税務署から還付を受けることができます。
問題なのは、事業所得を「赤字にするため」に事実と異なる計算をした場合です。実際には支払っていない架空の経費、あるいは事業に関係のない領収書をかき集めて所得を圧縮してしまうなどです。
もっとひどいケースですと、源泉徴収票の所得税額を偽造により高額にしたりと、後日の税務調査で重加算税というペナルティを与えられる行為も実際にありました。
そうはいっても、実際の経費には必要経費にしていいのか必要経費にできない家事費なのか、判断に迷うものもあるのも事実です。自宅兼オフィスの家賃、水道光熱費、携帯電話やインターネットなどの通信費、パソコンなどの備品、自家用車の減価償却費などは頭を悩ますことでしょう。
必要経費の対象とする項目ごとに、時間割合、面積割合などを整理していただく必要があると思います。事業割合100%と記載した場合、少しでもプライベートでの使用が認められると追徴の対象になってしまうことがあるので、注意が必要です。
①匿名のネットの情報は鵜呑みにしてはいけない
②家賃や電話代などはどこまで経費にできるのか
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元国税局勤務。現税理士。プリエミネンス税務戦略事務所代表。国税職員時代には東京国税局課税第一部課税統括課、電子商取引専門調査チーム、統括国税実査官(情報担当)、課税第二部資料調査課、同部第三課に勤務。電子商取引事案、海外事案など、大口から悪質なものまでさまざまな税務調査を担当。1月下旬、実在の仮想通貨の脱税事件をモデルにした金融小説『仮想通貨脱税』(扶桑社)を刊行。ほか著書に『国税局資料調査課』(扶桑社)、『税金亡命』(ダイヤモンド社)などがある。TV、雑誌のコメンテーターとしても活躍している。
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