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テレワーク推進でも「絶対に無理」な人々の嘆き「現場仕事はどうすんだよ」

 新型コロナウイルスの影響拡大が止まらない。イベントやコンサートは軒並み延期・中止に。ついに安倍晋三首相や文部科学省が動き、全国の小中高校などに一斉休校するよう、各都道府県の教育委員会などに正式要請した。
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勤め先でコロナウイルス感染拡大への対応策として「テレワーク可能」になっても、業務上の都合で出社している人も少なくない。※画像はイメージです(以下同)

 そんななかで、多くの企業もテレワーク時差出勤などを推進しているものの、すべての企業が対応できているわけではない。Twitter上には、「テレワークなんて自分の仕事や会社では無理!」などの声も多数見受けられる。今回は、そんな悲痛の叫びをあげる人々に話を聞いた。

“現場”中心の仕事では、どうあがいてもテレワークなんて無理

 建築関係の仕事をしているという、まるぼろさん(@marlboro3436)は、「テレワークてなんだよ。私ら労務者はどうやって仕事すんだよ」とTwitterで怒りをあらわにした。 「仕事柄、どこをどうあがいても100%テレワークはできないので……むかつくと言うよりはなんなんでしょうね……国としては何を見て今回このテレワークというものを要請なり推進という形で呼びかけているのか、理解しづらいということです」(まるぼろさん、以下同)  すべての仕事に対し、一律に対応できないにも関わらず「テレワークを要請する」国の方針に納得がいかない様子だ。まるぼろさんの仕事は、「どこをどうあがいても100%テレワークはできない」と話す通り、“現場”での仕事が多い。 「建築現場だったり、ビルの改修工事であったり、そうした仕事ですから、どうテレワークで仕事したらいいのか。実際に現場内でコロナが発生したら、現場中止になるのかわかりませんけど……。ただでさえ昨今はコスト削減、工期短縮ばかりを掲げている業界ですから、もしも現場中止になったら、そのぶんのしわ寄せが確実にくるので困りますよね」  とはいえ、まるぼろさんにとって不幸中の幸いだったのは、自身の給与形態だ。 「建築業界は日給・月給の2つの形態があります。一日働いていくらの日給制と、普通のサラリーマンと一緒の月給制があるのですが、幸い私は月給制なので金銭面での不安はありません。ただ、そうでない方は死活問題になりますよね」

会社としてはテレワーク可能だが、現実的には不可能

コールセンター 会社的にはテレワークを許可していても現実的には不可能、という場合もある。通信系大手に勤める太田康隆さん(仮名・33歳)は「日によっては可能かもしれないのですが……」と語り始めた。 「うちの会社は条件付きで在宅勤務がOKな感じなのですが、自分はコールセンター担当で顧客履歴を見るなど個人情報を取り扱わないといけないので、フル在宅は実質無理ですね。個人情報を取り扱うコールセンター業界は一律無理だと思いますよ」(太田さん、以下同)  個人情報保護に厳しい昨今。社内で管理が徹底されているぶん、在宅ではできない仕事もあるのだ。 「小規模な会社はわかりませんが、個人情報系は基本的に入室検査する警備員つきのセキュリティールームでしか取り扱えません。ただ、今後は指示を出す人間だけでも当番制で在宅勤務ができないかを検討している最中ではあります。実際に個人情報を見ながら電話で対応するスタッフの場合、在宅はどうしても難しいのですが……」  太田さん自身は実際に電話に出ているわけではなく、指示を出す立場。しかし、心理的なハードルやコミュニケーション面での不安もあると明かす。 「電話に出ている業務委託の方が出勤しているのに、(社員の)自分だけ在宅をするのも気持ち的には嫌ですね……。それから電話で指示を出すことは不可能ではありませんが、大クレームの時などはどうしても顧客対応履歴を見ないと何とも言えない時もありますので」
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「絶対に無理」な職種は多い
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