更新日:2020年03月09日 08:23
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新型コロナウイルス × 花粉症は最悪の相性…どう予防する?

花粉症の症状で飛沫感染のリスクが高まる

花粉症「新型コロナウイルスは風邪のウイルスなんです。ですから症状が比較的軽度なのも感染拡大を防ぐという意味では非常に厄介といえるでしょう。インフルエンザは高熱や関節痛といった特徴的な症状がありわかりやすいですが、新型コロナは風邪と区別がつきづらい。そのため無理して登校や出社をしてしまい結果として感染のリスクを高めてしまう可能性があります」  加えて、新型コロナウイルスの外部環境下での活性状態の長さが、この時期流行の花粉症と結びついた場合、飛沫・接触感染のリスクがさらに高まる可能性があるようだ。 「なぜなら、花粉症の主な症状である、目の痒みやくしゃみが感染リスクを高める行動と直結しているからです。たとえば、目を掻いてその後、手を口付近にもっていくと、手にウイルスが付着していた場合、口内にウイルスが入ってしまう危険性があります。またくしゃみも飛沫を飛ばす行為ですので、花粉症でその回数が増えれば増えるほど、飛沫・接触感染のリスクを高めます。外部環境下でも長時間活性化する新型コロナと花粉症は悪い意味で相性がいいと言えるでしょう」

予防対策は色々あれど基本は家掃除

マスク では、新型コロナウイルスと花粉症それぞれに効果的な予防対策はなにか。松本氏曰く、基本的な手洗いうがいを徹底することに加え、洗浄(クリーニング)という概念が非常に重要とのことだ。 「ウイルスと花粉、どちらも外部から家へと持ち込まれるものですので、水際、つまり玄関先でどう止めるかというのが重要です。しかし掃除を行うときに、アルコールはともかく塩素系の薬剤はかなり強力なので、本来人間を守ってくれる菌である常在菌にダメージを与えるだけでなく、薬剤も体内に取り込まれてしてしまいます。ですから洗浄(クリーニング)で掃除をするのが一番です。汚れ、菌、ウイルスの数を拭き取るなどして減らすという考え方ですね」  家に菌を持ち込まず、洗浄で拭き取ってしまうことが最も重要な予防対策であると語る松本氏。一般的に、スプレー型の薬剤を頒布し除菌・消毒することが有効であるように思われているが、その実際の効果は一部分の菌やウイルスの力を弱める程度、すべての菌に対して効果があるわけではないそうだ。予防時に考慮するべきポイントは? 「玄関の扉を開ける前に、ウエットティッシュのような湿ったペーパーで、衣服の表面をぺたぺたとスタンプを押す要領で拭いてあげる。こうすることで菌を洗浄することができます。気をつけなければならないのは寝室。花粉症の時期は眠っている間のせきやくしゃみで出たハウスダストがすべて布団に付着しています。布団の自分の口に近い部分にバスタオルを敷きそれだけを洗濯するか、粘着ローラーで布団の首元をそーっと掃除してあげることが有効です。 朝起きたら布団を自分の首から足へ向かってゆっくりと巻くように畳んであげる。それだけでもハウスダストは大分飛散し辛くなりますよ」  ほかにも壁を化繊(かせん)はたきで掃除してあげることも有効な予防対策とのこと。早速自宅の掃除に取り入れていくとよいだろう。未知のウイルスであるからといって恐れずに、基本に忠実な予防対策を徹底したい。 松本忠男氏【松本忠男】 東京ディズニーランドの開園時の正社員、ダスキンヘルスケアを経て、亀田総合病院のグループ会社に転職。清掃管理者として約10年間、現場のマネジメントや営業に従事。1997年、医療関連サービスのトータルマネジメントを事業目的として、株式会社プラナを設立。日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事。亀田総合病院では100人近く、横浜市立市民病院では約40人のスタッフを指導し、現場で体得したコツやノウハウを、医療、介護施設、清掃会社に提供している。 <取材・文/山田星人>
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