更新日:2023年05月24日 14:22
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「うちの子、発達障害かも…」と悩んだときの相談先と準備すべきもの

発達障害の子の就学先は多様

 一般的な就学先相談の流れとしては以下のようになる。まず、入学の前年になったら市区町村の窓口で就学相談の申し込みをし、説明会に出たり相談員との面談を受けたりする。その後、相談員の作成した資料をもとに就学支援委員会が就学先を検討し、その結果を踏まえて委員会と話し合いをし、最終的な就学通知が届く。  障害のない子と一緒に授業を受けることもできる軽度の障害から、専門的なケアが必要な重度の障害まで、障害の種類や程度は様々。どの子もみんな楽しく学校に通えるよう、多様な学びの場が用意されている。 ●主な就学先 <通常学級と通級指導教室> 「通級指導教室」=通称「通級」とは、通常学級に在籍しながら、支援学級やほかの施設などに通って障害に応じた特別の授業を受ける制度。普段は地域の学校の通常学級で障害のない子どもたちと一緒に授業を受けながら、週に1~8時間、通級に通う。 <特別支援学級> 地域の学校の中に設置された、障害のある子どもたちを集めた学級。障害の種類ごとに分けられた1クラス8人を上限とした少人数の教室で、専門の支援スタッフや教諭が保育を含めた教育を行う。共同学習を行うなど、通常学級の子どもとの交流もある。 <特別支援学校> 障害のある子どもたちを対象とした学校で、それぞれの障害の状態に合わせた授業が行われる。少人数の教室で専門性の高い教職員が授業を行うので、重度の障害でも通うことが可能。研修を受けた教員が、常駐の看護師と連携し特定の医療ケアも行ってくれる。

専門的な治療・教育は療育センターで受けられる

 発達障害のケア施設の主流となっているのが療育センターだ。ここでは障害のある子どもに対し、それぞれに合った専門的な治療・教育が行われる。施設ごとに治療・教育の方向性やスタイルが異なるので、子どもに合う場所を選びたい。 ●受けられる主なサービス <診察> 小児科、児童精神科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科などの外来診察を受けることができる。発達障害のある子どもは音や明るさ、皮膚への刺激に過敏なこともあるが、一般の病院と違ってそれらに対応できる態勢も整っている。診察後には、個別または集団での療育も行われる。 <療育> 個別療育では、発語やコミュニケーションの練習をする言語聴覚療法、作業を通して手指や腕などの動きを訓練する作業療法、起き上がる、座る、歩くなどの基本的な動作の発達を促す理学療法などが行われる。集団の場合は、集団ならではの刺激や喜びを通して発達を促すプログラムが用意され、親子遊びなども行われる。 <相談> 療育センターの相談窓口では、ソーシャルワーカーに個別でさまざまな相談をすることができる。子どもに必要な医療や訓練といった療育相談をはじめ、日常における子どもとの関わり方や障害の捉え方、経済的な問題、家族の問題など幅広い相談に応じてくれるので、障害児の保護者の心強い味方となる。  障害児へのサービスは、施設に通って支援を受ける「通所系」、障害児が通う保育所や学校などを訪問して集団生活への適応を支援する「訪問系」、施設に入って支援を受ける「入所系」の3つに大きく分けられる。利用できるものを市区町村の福祉相談窓口に相談したい。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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