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中国で“コロナ隔離”された日本人渡航者の体験「本気度が日本と全然ちがう」

自宅前には警官と医者が。体温計と消毒剤をくれる

 さて、空港から自宅にたどり着いたあとが、また大変だ。 「マンションに入る前に、警官1人、医者1人、地域の住民委員会係員が2人、やってきました。私一人のために、医者まで来たのはびっくりです。でも高圧的なわけではなくて、『お気の毒ですねえ』という紳士的な態度でした。  そこで、体温計と消毒用の錠剤を渡されました。また、日本語で隔離生活の注意が書かれていて『破ると罰則です』という紙にサインをして、やっと部屋に入れたんです」(同)
自宅前で手渡された体温計、消毒剤、注意書きなど

自宅前で手渡された体温計、消毒剤、注意書きなど

 体温計と消毒薬まで配るとは驚きだ。毎日2回、朝8~9時と16~17時に体温を測り、SNSに書き込んで担当医に送信することが義務づけられている。もし体調に異常があったり質問したい場合に、電話できる市民ホットラインも記されている。  また、日本語とイラストで書かれた「在宅隔離 健康TIPS」という紙には、「トイレのあとは、便器に消毒剤を入れて、フタをして流す」など、こと細かな注意が書かれている。  翌日、午後1時過ぎに防護服を着た係員がゴミを回収に来たが、これは在宅しているかどうかチェックする意味もありそうだという。専用の黄色いゴミ袋で回収していったというから、処理も分けてするのだろう。

心理状態がどうなってしまうのか…

 ここまでやるのは、政府が強権を持つ中国ならではだろう。だが、実際に感染者数は落ち着いてきている。3月8日には中国本土での新感染者数は40人と減少していて、うち36人は武漢、4人は海外からの入国者だ。つまり、武漢以外の地域では新たな国内感染者が出ていない。 「疑わしきは罰する、というのが中国です。こういう生活が続いたら、心理状態がどうなってしまうのか…。でも、本気でウイルスを抑え込むには、ここまでやるべきだと思いますね」(同)  日本が9日から行う、入国者への「2週間、待機要請」は、どのぐらい実効があるだろうか――。 <文/日刊SPA!取材班 写真提供/Kさん>
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