コロナ便乗の転売屋に困る店員たち「倉庫を見せろとか、とにかく高圧的」
マスクのみならず、ティッシュやトイレットペーパーが買えない、アルコール消毒剤も見当たらない……。テレビや新聞では「コロナパニック」に陥った人々が、我先にとドラッグストアやスーパーに駆け込み、これらの商品を争奪する様子が報じられている。
中国地方のとある山村。このエリアに展開するドラッグストアの営業マネージャー・三村豊さん(仮名・40代)が話す。
「2月の終わりくらいからですね。ティッシュやトイレットペーパーを大量に買うお客さんが増えだし、事情を聞くと『都会に出ている息子から買っておけと言われた』とか『都会に住んでいる親族に送るため』というひとばかり」(三村さん、以下同)
三村さんはテレビの報道で知ってはいたものの、こんな田舎にまで影響が出るとは思っておらず、驚くしかなかったという。
「とはいえです、1人で10パックも買っていく人はいませんでした。足りているけど念のため、って感じのお客さんばかり。みなさん馴染みの人ばかりだから『大丈夫ですよ、また入荷します』とお話しして、安心されていたようですが……」
ところが、だ。その後、関西や九州、中部地方のナンバープレートをつけた車がわざわざやってくるようになったのである。そのほとんどは多くの荷物を積めるバンタイプ、そして「わナンバー」のレンタカーだった。
「恐らく、いわゆる“転売屋”の人たちでしょう。彼らは、本当に根こそぎ買っていく。もう在庫がないと告げると『倉庫を見せてくれ』『他の店舗の在庫を調べて押さえてくれ』など、とにかく高圧的。ある店舗では、ティッシュなどだけではなく、キッチンペーパーや除菌シート、おむつまで全部買い占められ、紙製品が全てなくなってしまいました」
政府や事業者がいくら「足りている」「安心しろ」と言ったところで、聞く耳をもたない人も少なくない。このような事態に発展した原因のひとつに、転売屋が関係していたことは周知の事実。彼らが買い占め、インターネット上で高額販売……ついに政府はマスクの転売を原則禁止するよう動いた。
遡ること少し前。都会のみならず、地方のドラッグストアやスーパーにも転売屋たちの魔の手が伸びていた。
地方のドラッグストアに県外から買い占め客が
1
2
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ