仕事

新卒1年で辞めた男性のその後「コロナのリモートワークがちょうどいい」

 コロナウイルス感染拡大への対応策から多くの企業でリモートワークが推進された。対面の仕事でなければ「仕事をした気がしない」という人も少なくないかもしれないが、ここに「ずっとリモートでいいな」と話す男がいる。
リモートワーク

リモートワーク中の元引きこもりニートの前田良太郎さん(仮名)

 大学卒業後、新卒で就職した会社でのパワハラと長時間労働に精神を病み、1年ほどで退職して実家で引きこもっていた前田良太郎さん(仮名)だ。 【過去記事】⇒新卒1年で会社を辞めて実家暮らし。中央大卒のニートが「自分を責めるのをやめた」ワケ  日刊SPA!では約2年前に彼の生活を取り上げた。当時、26歳。「タバコ吸うのを忘れていつの間にか禁煙できていた」など、数々の“ひきニート”ならではのエピソードを披瀝してくれた。  交友関係をはじめ、本来なら引きこもり生活の生命線と言っても過言ではないネットやスマホすらあっさり断ち切り、埼玉の片田舎にある実家の布団に横たわって、半年以上ひたすら考えごとに耽る日々――。そんなスタンドアローンな暮らしぶりに少なからず私は度肝を抜かされた。  あれから約2年の月日が流れたが、冒頭のように話す前田さんはいま何をしているのか。再び会ってみることにした。

マクドナルドの無料ポテトで凌ぎ、職業訓練校へ

リモートワーク 前田さんは現在フリーターとなり、都内で一人暮らしをしていた。仕事はWebデザイナー。母親からもらったお小遣い5千円を握り締めて近所の公園に現れた前回の取材時に比べると、大きな変化がうかがえる。 「Webデザイナーならアスペでも大丈夫という内容のネット記事を読み、都内の職業訓練校に通い始めました。職業訓練校ってみんなが働いたお金でニートを訓練するという施設らしく、雇用保険でまかなわれているので費用はかかりませんでした」  実家から職業訓練校までは約2時間の道のりだったが、「近場にもあったんですけど、就職率が良い学校にしました。朝は5時起きでしたが、帰りは15時くらいだったのでつらくはなかったです。平日はちゃんと毎日通っていました」という。 「『KODO』(※マックのアンケートアプリ。アンケートに答えると無料券がもらえる)を使って、昼休みは近場のマックを毎週ハシゴして、無料の水とポテトで糊口を凌ぎました。いまは改悪されて月1回しかアンケート答えられないんですが、当時は週1回無料券もらえたんですよね」  ストイックな生活は相変わらずだったようだが、とにかく真面目に職業訓練校へ通うこと約半年。見事、手取り約18万円の正社員として都内のIT関連企業に就職し、入社に伴って現在の部屋に引っ越したらしい。しかも前回の取材後から就職が決まるまで、気が向いた時にはアンケートモニターのアルバイトをして、一人暮らし再開の資金まで地道に貯めたというから偉い。しかし……。 「就職はすぐ決まりましたが、久々の社員生活はキツかったです。ランディングページの制作などに従事することになりましたが、仕事を教えてもらった先輩たちがどんどん辞めていき、入社1か月ですぐ部下ができたり、意味不明な役職与えられたり。『これネットでよく見るブラック企業の特徴じゃん』と思って。早く辞めないとヤバイと思いました」  程なく終電帰りが常態化。土日も自宅で仕事に追われるようになり、そんな待遇に耐えられるはずもなく、半年ほどであっさり辞めたそうだ。  幸い、久々の就職にあたって親戚からもらった就職祝いなど、ある程度まとまった貯金もあったため、その後は2か月ほど実家で休養。その間、家賃だけ払っていた一人暮らしの自宅に戻り、年始から本格的に就活を再開したという。 「僕が辞めるのは別に不思議なことじゃないので、親も特に驚いていなかったですね。転職活動は最初、転職エージェントを利用したんですが、選考に1か月とか時間が掛かると聞き、バイトを探すようになりました。今のバイトはWebデザイナー向けのネット求人サイトで見つけました。仕事と家庭を両立したい人でもできると書いてあったので、このバイトなら楽勝そうだなと思って。仕事内容は前職のレベルを下げた感じで、職業訓練でやったことは1ミリも役に立っていないですけど、前職の実務経験は役立っています」
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「できないことはできないので」
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