更新日:2020年04月02日 16:40
デジタル

『あつまれ どうぶつの森』任天堂の株価を左右するほど売れる理由

大ヒット中の『あつまれ どうぶつの森』

 ファミコン期から続く老舗タイトルではないため、あまりゲームに詳しくないとピンと来ないかもしれませんが、『どうぶつの森』はすでに任天堂を支える重要なブランドのひとつです。昨年6月には最新作『あつまれ どうぶつの森』の発売延期が発表されるや、任天堂の株価が急落する一幕もありました。  3月20日に任天堂から発売された『あつまれ どうぶつの森』はそんな期待に応えるかのように、発売3日間で国内188万本(パッケージ版)を売り上げ、Nintendo Switchのソフトとしては歴代1位の初週販売本数となりました。ハードの販売台数も直近は週間5万台ベースだったものが、『あつまれ どうぶつの森』発売週には約40万台と大幅にアップ。

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 新型コロナウイルスによる巣ごもり消費の後押しがあったものの、『どうぶつの森』ブランドの強さが際立った格好です。それでは、なぜこれほどまで『あつまれ どうぶつの森』は幅広い層にウケているのでしょうか。

『どうぶつの森』がウケる3つの理由

(1)勝負や争いのない世界

どうぶつたちとの交流を中心にした争いのない優しい世界

 まず1つ目の理由は“競わない”というゲーム性。テレビゲームの多くは、勝利することがプレイヤーのモチベーションにつながるようデザインされています。しかし、『どうぶつの森』は2001年に発売された初代から、一貫して競い合うことに重点を置いていません。ゲームクリアの目標も強いられず、近所に住むどうぶつたちと会話をしたり、のんびり釣りをしたり、家具で部屋を飾ったり……あくまで自分が楽しいと思うことを追求できる内容です。  一般的なタイトルとは一線を画すこの特徴が、女性を中心に普段あまりゲームをしない層の心もとらえ、「『どうぶつの森』が出るからハードを買う」といった声が非常に多く聞かれました。競ったり、戦ったりは現実世界だけで十分といったところでしょうか。 (2)自然が詰まった箱庭世界

釣りや昆虫採集など自然のなかでのんびり遊べる。あたたかみあるグラフィックで、自然と触れ合ったような気持ちになれる

 2つ目の理由は手軽な箱庭世界であること。近年のゲームは広大なオープンワールドが主流となっていますが、『どうぶつの森』はすべてが把握できるちょうど良いサイズ感。最新作の舞台となっている無人島も、端から端まで走ればすぐに横断できる手頃な広さです。これが遊んでいるうちに自分の島に愛着が湧く理由。  しかも、釣りや昆虫採集、フルーツ狩りなど自然のなかで過ごしていると心の疲れも取れていきます。吹き抜ける風、寄せては返す波、打ちつける雨音……そんな環境音はリラックスにうってつけ。コンクリートと人間に囲まれて一日を過ごす現代人には、この箱庭世界が癒しとなるのです。
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心の理想郷がある良さみ……
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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