更新日:2020年04月11日 15:46
ニュース

新型コロナ「昨年11月に米中の首脳は知っていた」との報道に衝撃

中国政府も11月に知っていた? 香港の新聞が報じる

 一方、当事者の中国はというと、2ヵ月半ぶりに封鎖を解除した武漢の街は華やかにライトアップされ、巨大な橋には、“必勝中国”の文字が浮かび上がっていた。  だが、街を歩く市民の姿からは、晴れやかな気配はうかがえない。マスクはもちろん、防護服に身を包み、いまだウイルスの恐怖におびえている。  それもそのはず、市民も政府の“大本営発表”など信じていないからだ。香港の英字新聞『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』も、新型コロナウイルスは、中国政府が存在を認めた昨年12月よりも前、去年の11月に感染が起きていたと伝えている。
サウスチャイナモーニングポスト

「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」サイトより(3月13日)

 NHKニュース3月13日配信の記事によると、「『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』は13日、新型コロナウイルスについて中国政府未公開の記録を入手し、去年11月17日に中国・湖北省の55歳の住民の感染が確認されていた」のだという。  この報道も事実だとすれば、米中両国が、少なくとも昨年の段階でウイルスが存在していたことを知っていながら、どちらの国においても何らかの忖度が働いて、正確な情報が届いていなかった。もしくは、届いていたとしてもなきものとされてしまったのではないか、との疑念が生じる。  いずれにせよ、米中双方が抱えてきた内憂外患が、ウイルスによって暴発してしまったかのような現状からは、残念ながら明るい未来は見通せそうにない。 <文/石黒隆之>
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
1
2
おすすめ記事