出身地を隠し、父親のためデリヘル嬢に

少しずつではあるが、着実に復興への道を歩んでいるかに見える被災地。しかし、被災者の生活再建の道は困難を極めている。それは、被災女性の置かれている過酷な状況を見れば、よくわかる。風俗とは縁のない生活を送っていた彼女たちが風俗嬢に転身し、地元から遠く離れた歓楽街に「単身赴任」しているというのだ。その悲劇の様を追った!

「地震がなければ、地元を離れることもなかったし、風俗とは一生縁のない人生を送っていたと思う」

 都内のデリヘルで働く新田ナミさんが上京したのは4月上旬。彼女の実家は福島第一原発の警戒区域外だったが、家は津波で押し流されてしまった。

「震災後は仙台の兄夫婦宅に両親と身を寄せていました。でも、一家4人が暮らす2DKのマンションに、さらに私と両親の3人が住むのは狭く、長居はできませんでした。しかも、父は被災した会社から解雇され、次の仕事もいつ決まるかわからない。実家の住宅ローンはまだ1200万円以上も残っているし、先のことを考えるとお金の面でやっぱり不安。兄だけに負担させるわけにもいかなかったので……」

 ナミさんは悩んだ末、2年前から都内の風俗店で働いている高校時代の友人に相談。今は彼女の家に居候させてもらい、同じデリヘルで働いているという。

「福島県出身というのは、客に隠してますね。同情されたくないですし、変なイメージも持たれたくない。何より震災のことは思い出したくないから……。だから、店長に相談して、お店のプロフィールは新潟県出身ってことにしてもらっています」

 ちなみに、彼女が在籍するデリヘルは即尺やアナル舐めなどのコースもあり、未経験者には少々ハードなお店。

「最初は即尺が気持ち悪くて、毎日泣いていました。でも、もう慣れたので大丈夫。今は月5万円だけど、200万円貯まったらまとめて送るつもり。余計な心配をかけたくないから、『宝くじに当たった』ことにします」

 一日も早く風俗から足を洗い帰郷できるよう、祈るばかりだ。

●新田ナミさん(仮名・21歳)福島県南相馬市出身
震災後、仙台の兄夫婦宅に一時避難して4月上旬に上京。風俗嬢をしている高校時代の友人の紹介で、都内デリヘルに入店。新人ながら評判は良く、リピーターも増えている

― 風俗嬢に転身した被災女性の悲劇【5】 ―

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