「パワハラ上司が嫌なので転職したい」貯金1000万円ある男性26歳の悩み
あなたは現在、26歳ですから、あなたが現役のうちに会社の文化も大きく変化します。怒鳴る挨拶無視の上司や対処しきれない仕事などであなたが苦しい思いをしているならば、真面目に転職を考えたほうがいいです。
ただし、短気を起こしてはいけません。現時点であなたがどのような専門的職業能力を持っているかについて冷静に見極めることが重要です。ちなみに転職エージェントの言葉を額面通りに受け止めてはいけません。あなたは転職エージェントにとって、利潤を得るための商品にすぎません。
あなたは大企業に勤めているということですが、大企業は中小零細企業やベンチャー企業と比較して、教育に対する余裕があります。嫌な上司がいても、会社から吸収できるノウハウがあるならば、当面、転職せずに仕事上のスキルを向上させることに専心したほうがいいと思います。
ちなみに大企業では、3~5年で異動するのが通例です(私がいた外務省は人事の回転が速く、2~3年で異動するのが通例でした)。嫌な上司がいても、数年我慢すれば、上司もしくはあなたが異動になります。ですから、現在の上司との関係だけで会社を飛び出すというような決断はしないほうがいいと思います。
これからAI(人工知能)が仕事に応用されるようになり、事務職や営業職の仕事の内容は大きく変化します。いずれにせよ、簿記、英語、統計の知識は、今後、仕事が変化しても必要となるので、20代のうちに能力を向上させておくといいと思います。繰り返しますが、転職は、短気を起こさずに冷静に考えた上で行うことを勧めます。
★今週の教訓……数年我慢すれば上司かあなたが異動します’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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