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大林宣彦監督が最後に選んだ“尾道ヒロイン”吉田玲の魅力に迫る

結果を恐れず「当たって砕けろ」の精神でチャレンジしたい

 2002年3月15日、山口県下関市生まれの18歳。女優を目指して2007年から地元の「劇団Zing♪Zing」に入団した。きっかけは、あのミュージカルだ。「小学校5年生の時に、劇団四季の『キャッツ』を観て、凄く感動して。それで今の劇団に入ったのですが、中学校に進学してからはミュージカル部にも所属し、日々女優になるための表現力を磨いていました。そんな時に柴口勲監督から、『うちの学校でミュージカル映画を撮りたい』という申し出があって、『隣人のゆくえ あの夏の歌声』の撮影が始まったのですが、出演はもとより、音楽、振り付け、撮影、録音、照明など、あらゆる制作を私たち生徒が主体となってやらせていただいたんです」。  これが大林監督の目に留まった。「奇跡の映画に出会った!」と同作を絶賛し、約40名いた出演者の中で、なぜか吉田に心を奪われた。今となってはその真意は定かではないが、過去、原田知世、富田靖子ら尾道映画のヒロインをはじめ、薬師丸ひろ子(『ねらわれた学園』1981年)や本作にも出演している常盤貴子、中江有里、山崎紘菜らを女優として開花させた実績を持つ大林監督だけに、何か特別な輝きを感じたのだろう。肝心の吉田は、「皆さんに教えていただくまで、事の重大さを全く理解していませんでした。今は、錚々たる女優さんの中に私なんかが入っていいのかな?という思いでいっぱいです」と恐縮しきり。静止画だけではわからない、吉田の真の魅力とは…? その答えは、映像の中にしっかりと刻み込まれているはずだ。

目標は高畑充希! 「歌って踊れる女優さんを目指したい」

 今春、高校を卒業したばかりの吉田は、只今、女優を目指して“就活中”。まだ、所属事務所は決まっていないが、夢はどんどん膨らむばかりだ。「ちゃんと事務所に入れるのかな?という不安もありますが、どちらかというと、失敗を恐れることなく、『当たって砕けろ!』という性格なので、期待の方が大きいですね。行動を起こさないと何も始まらないので、とりあえずチャレンジあるのみ。何もやらずに後悔するより、精一杯やって後悔したい」と目を輝かせる。  「高畑充希さんみたいに歌って踊れる女優さんを目指したい」という吉田は、就活中も滑舌や言葉使い、敬語を磨き、ダンスやボイストレーニングなど表現力をさらに高め、自己鍛錬を欠かさない。息抜きはカラオケでディズニー作品の名曲を歌い、「青春とは?」と問いかけると、なんの迷いもなく「ミュージカル!」と即答する。SPA!読者にとっては、まさに娘世代。学生時代の全てをミュージカルに捧げ、女優という夢に向かって突き進むその姿は、我が子のように愛おしい。  ちなみに、SPA!の印象を聞いてみると、パラパラとページをめくりながら、「大人の男性が読む雑誌」と、はにかみながら答えた吉田。そんなSPA!で息抜きしながら家族のために必死に働く世のビジネスマンたちに、もしもエールを送るとしたら?「うーん、なんだか私が言うのもおこがましいのですが…これまで、辛いこと、楽しいこと、いろんな経験をされてきたと思うので、自信と誇りを持ってこれからもお仕事頑張ってください!」。まだあどけなさが残る笑顔の向こうに、映画の未来が、日本の未来が、ちょっぴり見えたような気がした。 =====  コロナ禍の影響で本作の公開が延期になり、長らく沈黙の日々を過ごしたが、来る7月31日、ようやく待望の初日を迎えることが決定した。尾道映画最後のヒロイン・吉田玲が大スクリーンで躍動する…コロナ対策下ではあるものの、待ちに待った劇場公開!大林監督も、きっと天国で喜んでいることだろう。 『海辺の映画館-キネマの玉手箱』7月31日(金) TOHOシネマズシャンテほか全国公開 (c)2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC
取材・文:坂田正樹広告制作会社、洋画ビデオ宣伝、CS放送広報誌の編集を経て、フリーライターに。国内外の映画、ドラマを中心に、インタビュー記事、コラム、レビューなどを各メディアに寄稿。2022年4月には、エンタメの「舞台裏」を学ぶライブラーニングサイト「バックヤード・コム」を立ち上げ、現在は編集長として、ライターとして、多忙な日々を送る。(Twitterアカウント::@Backyard_com)
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●タイトル:『海辺の映画館-キネマの玉手箱』
●公開日:7月31日(金) TOHOシネマズシャンテほか全国公開

監督:大林宣彦
出演:厚木拓郎 細山田隆人 細田善彦 吉田 玲(新人) 成海璃子 山崎紘菜 常盤貴子
製作:『海辺の映画館-キネマの玉手箱』製作委員会
製作協力:大林恭子
エグゼクティブ・プロデューサー:奥山和由
企画プロデューサー:鍋島壽夫
脚本・編集:大林宣彦
脚本:内藤忠司/小中和哉
音楽:山下康介
撮影監督・編集・合成:三本木久城
VFX:塚元陽大
美術監督:竹内公一
照明:西表燈光
録音:内田 誠
整音:山本逸美
配給:アスミック・エース 製作プロダクション :PSC
(c)2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC
HP:https://umibenoeigakan.jp

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