「こんな会社はダメになる」と大口叩いて辞めた新入社員の、その後
緊急事態宣言が出されてから一か月が経過した。テレワーク等で仕事をする人たちも多いだろうが、業種によっては出勤せざるをえない方々もいるかもしれない。新入社員は、ただでさえ慣れない環境と仕事に悪戦苦闘しているはずだが、このような状況は尚更ストレスになっているのではないだろうか。ここで挫けることなく、どうにか乗り越えて収束するまで頑張ってほしいと願うばかりだ。
岡島加奈さん(仮名・45歳)の会社は日本の古い慣習が強く残り、創業者の色が濃く反映されていた。それに耐えきれずに辞めていく新入社員もいたという。
「その新人は飲み会の幹事でした。選ぶお店はデザートが豊富なビュッフェばかり……。ちなみに幹事は男性ですよ。さすがに上司たちが、もう少し普通のお店に、と嘆いていました」
毎年行われる新入社員歓迎会での出来事。
「歓迎会で、新人が乾杯の飲み物を『僕はカルーアミルクで!』と言ったときの衝撃。今でも忘れられません。昭和世代の私は、乾杯はとりあえずビールでしょって思うじゃないですか。すぐに出てくるし、私の世代は常識だから、嘘でしょ……って思いましたよ」
岡島さんと同じように、昭和世代の大人たちは困惑したそうだ。とはいえ、「まぁ平成生まれだし、これも仕方がない」という雰囲気で歓迎会は無事に終了したという。
そんな新入社員だが、やはり昭和な体質が合わなかったそうで……。
「結局、その新入社員はろくに仕事も覚えずに、大口叩いて辞めていきました。後に聞いた話ですが、本社人事に対して、『こんな古くさい会社は僕には合いません! このままじゃこの会社はダメになる!』などの大演説をしたようです。ちなみに、部署での最後の挨拶では『僕は起業します!』と言うものですから驚きました。すぐ辞めてしまう人が起業だなんて、誰もが失笑していました」
その後、風のウワサで、彼は世界を旅するバックパッカーになったそうだ。その道は決してたやすくはないだろうが、旅で得たノウハウで起業し、成功していることを願う。
とはいえ、仕事に対する理想と現実のギャップに悩まされ、突如辞めてしまう新入社員は後を絶たない……。
新入社員が「こんな古くさい会社はダメになる!」と大演説
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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