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新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「譲っていただけませんか?」に困惑

―[年末年始の憂鬱]―
 年末年始の連休中はどこも混み合う。高速道路は渋滞し、新幹線のチケット予約は少しでも出遅れると指定席がとれず、数時間立って移動するハメになることも……。  今回はきちんと指定席を取ったにもかかわらず、新幹線の車内でとんでもない目にあってしまった人たちに話を聞いた。

混雑する新幹線の車内で…

新幹線ホーム

※写真はイメージです。以下同

 実家に帰省中に「ちょっとびっくりしちゃったことがあって」と話してくれたのは倉田裕香さん(39歳・仮名)。 「旦那と息子は男だけで旅行に行き、今年の正月は私ひとりで実家に帰省することになったのです。 新幹線は指定席を買っておかないと座れないので、当たり前に買っておきました。ビールと豪華な駅弁を用意して、『さぁ飲むぞ!』とウキウキしていました」  まわりには、指定席が取れずに立っている人がチラホラ。その中で、まだ小学生にもならない男の子が「座りたいぃぃ!」と号泣したようだ。 「小さい子だから座りたいよね、可哀想に……とは思いましたが、『なんで親は先に指定席を買わなかったんだろう』って不思議でした。ぎりぎりに決まったとか、事情があるのかもしれませんが。結構なボリュームで泣き続けていました」

まさかの「席を譲っていただけませんか?」

 親がなだめてはいるものの、一向に収まる気配はない。倉田さんは気の毒に思いつつもビールを口にもっていった。すると母親がいきなり話しかけてきたのだ。 「びっくりしました。『すみません、すごくこの子が泣いているんで……席を譲っていただけませんか?』って。え、私が? って。  だって、山手線とかの普通の優先席ならまだしも、ここは新幹線の有料の指定席ですよ? 確かに可哀想だけど、譲らなきゃいけない理由はないじゃないですか」  倉田さんが困惑していると、母親は「たぶん着くまで泣いてしまうので……お願いします!」と頭を下げてきたのだ。 「今からビールと駅弁食べて、ひと眠りしようと思っていたのに、どうしよう。本当に困ってしまって黙っていたら、横のおじさんが助けてくれたんです。 『お母さん、それはおかしいでしょう?』って。おじさんは『デッキであやすとか、お菓子を食べさせるとか、そうするしかないじゃない。この人(倉田さん)は先に指定席を取っている、子どもが泣いているからって関係ないでしょう』と」  すると、その母親は顔を真っ赤にして、子どもを連れて逃げるようにデッキに向かって行ったそうだ。 「私も子どもがいるので気持ちがわからないわけではないけど、譲りたくはなかったのでハッキリ言ってくれたおじさんに感謝です」
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急におばあちゃんが泣き出して…
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ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

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