更新日:2020年04月21日 19:54
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新型コロナ感染爆発「第2波」は食い止められるのか? アフリカからの逆流リスクも…

WHOが機能していない?

 ただ、トランプ大統領が言うように、WHOが機能していないというのも間違ってはいない……。  テドロス事務局長と中国の習近平国家主席が、WHOの専門家派遣に合意してから受け入れまでに1か月ほどかかりましたし、その報告も中国当局の対応を絶賛する内容でした。中国側の情報が正確なのかどうか見極め切れないところもあり、実際、中国は今になって武漢の死者数を当初の1.5倍に修正しています」  村中氏が指摘するように、武漢市は17日、公式な死者数を修正。公表していた死者2579人に、新たに1290人を上乗せした。市当局によると、自宅で死亡したケースをカウントしていなかったことや、集計作業の遅れが修正の理由だというが、米国が再三にわたって指摘してきた「過少報告」疑惑を中国自らが認めた格好だ。村中氏が続ける。 「拠出金を増額するなどWHOの枠内でも力を強め、大国となった中国に対し、WHOが意見を言うことが難しくなっている。だが、WHO以外に感染症と闘うための国際プラットフォームはないので、現時点でWHOが弱体化することは避けなければならない。  終身雇用職員の給料や年金、福利厚生が高額で、人件費が予算を圧迫していると以前から問題視されていますし、日本のお役所のようにコスト意識が希薄なうえ、決定に時間がかかる非効率な組織なので、WHOの改革は不可欠とも言える。  パンデミックの収束には、新型コロナウイルスに関する情報共有と、ワクチンや治療薬の開発が不可欠で、本来ならWHOはそのまとめ役となるべきだが、中国からの情報は相変わらず当局発表のみ。ワクチンや治療薬の開発も結局は市場の競争原理に任せたままで、役割を果たしているとはとても言えません」 「第2波」の襲来を間近に控え、WHOはコロナ終息に向けて態勢を整えられるのか……。日本も何ができるのか? 考えるべきときだろう。

減収世帯に30万円給付から一律10万円給付へ

「ここに至ったプロセスにおいて混乱を招いたことは私自身の責任であり、国民の皆さまに心からお詫びを申し上げたい」  4月17日、安倍晋三首相は緊急事態宣言の対象を全国に広げることを決めて臨んだ会見で、国民に対しこんな殊勝な言葉を口にした。 新型コロナ感染爆発「第2波」は食い止められるのか? 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は2020年度補正予算案を組み替えて国民1人当たり一律10万円の現金給付を決めた。当初、減収世帯を対象に30万円を給付する方針を掲げていたが、同じ連立政権を組む公明党からの激しい突き上げを受け翻意させられた格好だ。政府は5月中の支給を目指しているが、手続きの詳細は未定。現在、緊急事態宣言の期間に指定されている5月6日以降の道筋はまったく描けていない……。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/AFP=時事 時事通信社> ※週刊SPA!4月21日発売号より
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表紙の人/ 菅田将暉

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