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新型コロナ恐慌の日本経済。倒産件数、生活保護の増加予想は?

 一向に終息する気配を見せない新型コロナウイルスの感染拡大。世界的な恐慌が起きようとしているなか、それぞれの業界はどんな局面を迎えているのか。その道のエキスパートたちに現状を解き明かしてもらうと、今まで誰も経験したことのない危機的状況になることが浮き彫りに。もはやコロナ恐慌の到来を覚悟するしかない! 新型コロナ恐慌の全貌

新型コロナウイルス拡大で日本の経済は最悪の局面に突入

 世界経済に停滞を生む新型コロナウイルス(以下、コロナ)。米議会予算局は、アメリカの4~6月期のGDP(国内総生産)が年率換算で前期比28%以上落ち込むと発表。’47年以来最悪の数値を示したが、日本経済はどうか。経済評論家の加谷珪一氏はこう分析する。 「日本の名目GDPは年間550兆円ですが、そのうち個人消費が占めるのは約300兆円。新型コロナの影響で、海外からのインバウンド消費や個人の飲食・イベント消費をはじめとする不要不急の消費や住宅購入も抑制されます。さらに、年間90兆円といわれる企業の設備投資も最大10%低下すると仮定すると、年間GDPは前年比で5.8%ほど下落。最悪の場合、マイナス10%もあり得る」  GDPが下がって経済が停滞すれば、企業運営にも悪影響が。 「東京商工リサーチの調査によると、全国倒産件数は10年連続で前年を下回り、’18年の倒産件数は過去30年で3番目に低い8235件に。ところが’19年は8383件と少し件数が増えています。これは、政府が倒産回避のために発令した『中小企業金融円滑化法』に基づく金融庁の指導が’19年に完全終了したことだと考えられ、当初から今年の倒産数増加は予想されていました。そこに、コロナ恐慌が加わり、事態は悪化。今年は、前年比20%増の1万件を超える可能性も」(加谷氏)

108兆円の資金も景気回復には不足

 倒産が増えれば、収入への不安も高まる。貧困問題に詳しい社会福祉士の藤田孝典氏はこう続ける。 「休業中、接客業やサービス業は半失業のようなもの。休業補償の最大支給は給与の6割なので、給与が4割以上減る人も多いはず」  収入減は手痛いが、さらに恐ろしいのが失業者の増加だ。失業した後、人が頼るのが生活保護だが、この数値はいかに。 「リーマンショック時の生活保護世帯の推移を見ると、’08年は約114.9万世帯だったのが、翌年には約127.4万世帯と12.5万件増も増加。リーマン時よりも明らかに今回のほうが打撃は大きいので、その倍近い25万世帯ほど増えるのでは」(藤田氏) 新型コロナ恐慌の全貌 4月6日に発表されたのが、108兆円の緊急経済対策。だが、加谷氏も「景気回復にはこの金額では足りない」と断言。 「108兆円の中には、中小企業向けの納税・社会保険料支払いの猶予や財政投融資に加えて、当初から支出予定の未執行分なども含まれる。各世帯の給付金額も不明な現在、実際に経済効果が見込める“真水”と呼ばれるお金は108兆円中の約10兆~20兆円しかなく、GDPマイナス5.8%分を賄うのは不可能です」(加谷氏)  先行き不透明な日本経済。最悪の局面を脱することはできるのか。 【経済評論家・加谷珪一氏】 独立後、中央省庁や政府系金融機関へのコンサルティング業務に従事。著書に『世界のお金持ちが20代からやってきた お金を生む法則』(ダイヤモンド社)など 【社会福祉士・藤田孝典氏】 NPO法人ほっとプラス代表理事。反貧困ネットワーク埼玉代表も務め、数々の貧困問題へ提言。近著に『棄民世代』(SB新書)、『中高年ひきこもり』(扶桑社刊) <取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/山田耕司(本誌) 人形制作/たまいはるこ> ※週刊SPA!4月21日発売号の特集「新型コロナ恐慌の全貌」より
週刊SPA!4/28号(4/21発売)

表紙の人/ 菅田将暉

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