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自粛の標的にされる芸人、俳優たちの苦悩。収入はゼロ…どころか借金状態に

ミュージシャンには別の悩みも

大西英雄さん

大西英雄さん(本人提供)

 あらゆる大物のサポートとして演奏し、音楽教室の講師も務めるドラマーの大西英雄さん。 「18本のライブが中止になり伴奏の仕事もキャンセルが続いています。教室も2月末から休講になっていますので、実質この1ヶ月は無職状態です」とのこと。それでも「こんな時だからと、CDやグッズを買ってくれた熱い方々もいました」と語り、わずかながらミュージシャンならではの収入源もあるようだ。  一方で、「音楽的瞬発力の衰えを凄く感じてます。長期化した場合どうなるかと思うと恐ろしいです」とミュージシャンだからこその悩みも吐露。演奏は、メンバーとの反応で出来上がる。人に会うことを避けなくてはならない今、その反応を鍛えることができない辛い状況だ。  そして国や自治体に対しては「音楽・美術・映画などは無くても生活できるように思われるかもしれません。しかし、こういう状況でこそ心を豊かに保つことが大切。音を聞いて吸い込まれるような感覚、絵の前から動けなくなるような衝撃、映画館から外に出たときの感じる空気の変貌。そういう感覚が衰退しないよう、是非手を差し伸べてほしいです」と話す。  日本国憲法にも、日本国民は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を持つと書かれている。音楽やお笑い・演劇は、不要不急として真っ先に切り捨てられているのが現状だが、まさに「文化的」な生活を担保するものだ。それが壊されないよう、新型コロナウイルス拡大の早期収束と、それまでの十分な補償が行き届くことを、切に願う。<取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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