ロブションは期待を裏切ってくれるのか?
さっそく開封の儀。
おおお。どでかいパンと、温めのコツや、盛り付け例が書いてある取扱説明書そしてメニューが入っています。高級感のある紙質でございます。
肝心のお料理は立派なお重に入っていました。
一の重は色とりどり鮮やかな前菜です。高級おせちみたいな感じ。
二の重はサラダ、三の重はメインのお肉料理が。
全部並べると流石に華やか。色とりどりで鮮やかな料理がこれでもかと敷き詰められております。豪華っちゃ豪華だけど……、チラリとよぎる、「これだけ?」という気持ち。あかん、判断は食べてからにしましょう。
アベノマスク6枚分はありそうなどでかいパンをスライスしてオーブンで温めながら、せっかくなんで綺麗に盛り付けていきます。
正直、お重の中のプラ容器に入ってたら、ちょっと豪華なお惣菜。「伊勢丹地下で買いました。ドヤ!」のレベル。見目麗しく整えて、入念に価格をしがみたいと思います。
どうでしょう。ぽくなってきたのでは。
でもさ、普通の家にフレンチ4人分の前菜ぽい皿なくない? ってことで、
焼き魚の皿に盛ったロブション
残りは、焼き魚の皿……。これが現実。普段は鯖が乗ってる皿に、ジョエル・ロブション氏が築き上げたモダンフレンチの集大成、シャトーレストランの前菜乗せちゃいました。
冷やしておいた、3,000円のスパークリングも開けたいと思います。高級レストランって、結局お酒が高いですからね。どんなワインを飲んでも「飲みやす~い」といった、何も言ってないテンプレ感想しか出てこないので、手ごろなワインと合わせられるのは、テイクアウトの利点かな。
盛り付けしているときでも常に、「これって83,000円の価値あるっけ?」という激しい動揺が私を襲う。四の重に賄賂の小判が入ってたらまだしも、何度数えてもお重は三段で終わりです。83,000円あったら何買える? ブランドバッグとか買えるよね。ってか海外行けるよね。ってか、赤字ってどういう仕事?
でもさほら、やはり缶に入って鎮座されるキャビア様が、「この価格も納得させてやるぜ」と息巻いてる。“キャビア アンペリアル ロブションスタイル”の圧倒的存在感。専用のシェルのスプーンまで付属してます。好き~!!
さっそくキャビアをいただ……「いや、上げ底……!!!」
全面キャビアちゃうんかい。向こう3年分の落胆を先取りしました。
でも、味はやっぱ素晴らしいです。バランスの良い塩気。家でこれはやばい。けど…でも…やっぱりキャビアが詰まっていて欲しかった。
しかもシェルのスプーン実際いらん。次の日コンビニで買ったプリン食べたら超絶すくいにくかった。だけど貧乏性だから捨てられねーのな。家宝にします。
前菜のうなぎのミルフィーユは特に絶品でした。濃厚な積み重ね。その他の、手間ひまかけて、あしらったり、仕立てたり、添えたりしてあるやつを、うっかりぱくぱく食べちゃいました。サービス係の人に「そろそろ食べさせて?」って思うくらい、全素材をしつこく説明されたいです。あのおあずけ時間が貴重なスパイスなんだと気づきましたね。