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「10万円給付金で借金返せ」と言われたら?コロナ危機からお金を守る知識

事業主が返済の時間稼ぎをする方法「手形貸付」


 この記事を読んでいる人の中には、会社経営、個人事業主、あるいは会社財務担当者もいるだろう。ぜひ、そういう友人や家族、あるいは会社の上司に教えてあげてほしい。『コロナのお金110番 会社と個人のお金、こうやって守れ!』では、八木氏がいままで駆使してきた合法的裏ワザや交渉術なども書かれているが、その一例を紹介したい。  金融機関の担当者でもあまり知らない「手形貸付」という手法がある。聞き慣れない言葉だが、簡単に言うと、一定期間、金利だけの支払いになるので、支払いの負担額が減るということ。  これまでの「約定弁済」(当事者間で締結した契約に基づく債務弁済。住宅ローンなどの一般的な返し方)を「手形貸付」(借り手が貸し手を受取人とする約束手形を振り出し、貸し手が手形額面を貸し付けること)に切り替える方法で、支払い期限が1年なら、1年間金利だけを支払って元金はそのまま。この期間は、金利のみの支払いになるので、返済の時間稼ぎができる。 借金 ただし、注意しなければならないのが、「約定弁済」から「手形貸付」に切り替える相談をするときに、「満期がきたら必ず約定弁済に戻す」と約束を取りつけること。そうしないと、満期がきたときに全額を返済しなければならない。  一度であきらめず、粘り強く交渉することが、この状況を乗り越える鍵だと八木氏は語る。

知らない支援制度はけっこうある。とことん使おう!

 個人でも企業でも、あまり知らない支援制度はけっこうあるものだ。同書の巻末には、さまざまな制度と問い合わせ先が一覧で見られる「お役立ち連絡先一覧」が掲載されている。  また、支援策の紹介に加えて、解雇や雇い止めが心配なときの対応法や問い合わせ窓口、電気、ガス、水道などの光熱費、携帯電話料金の支払いを遅らせる方法、住宅ローンの返済に困ったときの対応法なども書かれている。 本と連携した公式サイトでは、発表される支援内容などを毎日更新している。  この戦いには、必ず終わりがくると信じ、使える制度はすべて使い、家族や従業員の生活を守り、そしてあなた自身が生きぬくことが、なによりも大事なことなのなのだ。<文/日刊SPA取材班>
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