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7月発売『ペーパーマリオ』は『あつ森』に続く大ヒットなるか?

昨年10月発売の『ルイージマンション3』も隠れた大ヒット

『ペーパーマリオ オリガミキング』

『ペーパーマリオ オリガミキング』Nintendo Switch/任天堂/7月17日発売/5980円(+税) 写真/任天堂HPより引用(以下同)

 コロナ禍で苦しむ業種が多いなか、ゲーム業界は巣ごもり需要の高まりを受けて堅調です。特に任天堂の好調ぶりは顕著で、2020年3月期決算では、総売上高1兆3085億円(前期比9.0%増)営業利益3523億円(前期比41.1%増)と昨年を上回る数字を叩き出しています。Nintendo Switchも昨年度は2103万台(前期比24.0%増)を売り上げ、累計では5577万台となりました。  もちろんソフトも絶好調! たとえば3月20日に発売された『あつまれ どうぶつの森』は、3月末までの集計11日間にもかかわらず、全世界1177万本と驚異のヒット。その後も数字を伸ばし、発売6週で1341万本となっています。『どうぶつの森』というと、『マリオ』や『ゼルダ』シリーズと比べるとややマイナーな存在でしたが、最新作のヒットですっかり世界的な看板タイトルとなりました。  また同じように、昨年10月発売の『ルイージマンション』の3作目『ルイージマンション3』は、国内83万本に留まっているものの、世界的には633万本と前作『2』を超えるヒット。特に海外での販売比率が高まり、世界で羽ばたくタイトルとなりました。  この流れに続けとばかりに、大きな飛躍が期待されているのが、7月17日に発売が予定されているアクションアドベンチャー『ペーパーマリオ オリガミキング』です。

20代~30代前半は夢中になって遊んだペーパーマリオ

『ペーパーマリオ』シリーズはもともと2000年にニンテンドー64向けに発売されたRPG『マリオストーリー』がルーツとなっています。マリオを筆頭におなじみのキャラがペラペラの平べったい姿で登場し、見た目にも愉快なタイトルでした。この英語名が『Paper Mario』。  その後、アクション的な仕掛けやストーリーにも二次元の紙の面白さを活かしたゲームキューブ向け『ペーパーマリオRPG』(2004年)が登場し、ここからシリーズとして一本立ちしました。続くWiiの『スーパーペーパーマリオ』(2007年)はジャンルをアクションアドベンチャーに変え、全世界228万本を超えるスマッシュヒットを記録。3Dの画面と2Dの画面を切り替えて仕掛けを解くスタイルは、テレビゲームの表現を逆手に取った新鮮なものでした。
ペーパーマリオ

評価の高い2007年のWii『スーパーペーパーマリオ』公式サイト

 ただ、続いた3DS『ペーパーマリオ スーパーシール』、Wii U『ペーパーマリオ カラースプラッシュ』は、評判も売上もやや伸び悩んでいます。そうした頭打ちの状況をNintendo Switchの追い風を受けて打ち破れるかが、今回の『ペーパーマリオ オリガミキング』の注目点です。
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『オリガミキング』はヨーロッパで人気が出る?
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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