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生活苦のシングルマザーが前澤友作氏の「小さな一歩」に踏み出せないワケ

養育費の取り決めをしていない大きな理由「相手と関わりたくない」

ひとり親 山中さんは、今回の前澤氏の行動を称賛する一方で、相手が死別した人、DVで仕返しが怖い、生活保護などの場合はどうするのか、と疑問を呈す。  過去にDVを受けたトラウマから、山中さんは「元旦那とは少しの接点も持ちたくない」という。  厚生労働省が行なった「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、養育費の取り決めをしていない割合は、母子世帯の母親では54.2%と半数以上。また、父子世帯の父親では74.4%だった。  養育費の取り決めをしていない大きな理由については、母子世帯の母では「相手と関わりたくない」が最も多く、父子世帯の父でも二番目に多い理由となっている。  小さな一歩のホームページによると、元パートナーへの連絡は協力弁護士が電話や手紙で行い、必要に応じて面会をする。その際に依頼者の情報は一切、元パートナーに伝えないとあり、元パートナーと関わらないよう工夫がされているとのこと。  しかし、自分の親が暮らす実家を知られていて、乗り込んでくるのではないか、などの心配をする人もいて、なかなか一歩を踏み出せない人もいる。こうした人はどうすればいいのか。小さな一歩に取材を申し入れたが、返事をいただくことは叶わなかった。もしかすると、すでに多くのひとり親の方から相談が寄せられ、対応に追われているのかもしれない。  様々な背景から、養育費の取り決めをしたくてもできない人が沢山いる。山中さんもその一人だ。前澤社長の新会社設立で、救われるひとり親は大勢いるだろう。まずは、山中さんも複雑な事情まで含めてどう一歩を踏み出すか、小さな一歩に相談してみるといいかもしれない。前澤氏なら、きっと……。<取材・文/星谷なな>
5歳の頃からサスペンスドラマを嗜むフリーライター。餃子大好き27歳。 たまに写真も撮ります。
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