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アイドルが事務所を辞めて「よかった/悪かった」理由

事務所を辞めたら「何をすればいいのか見失った」

悩む女性 逆に「辞めないほうがよかった」と後悔しているのはヒマリさん(仮名)さんだ。 「私が所属していたのは、グラドルやアイドルばかりの事務所だったんですが……。現場で一緒になるフリーで活動している子のほうが忙しそうにしていて、ぶっちゃけ、所属していることが無意味に思えてきたんです」  ヒマリさんが事務所を退所する意思を固めた時は、ちょうど契約更新月だった。 「これを逃すとまた自動更新になっちゃうから、思い切って辞めることにしたんです。辞めて最初はフリーで頑張ろう! と意気込んでいたんですが、思うように仕事がこない。  フリーでそこそこ仕事がある子のSNSを見ていたら、けっこう簡単に仕事が入るのかと思いきや、私は全然で……。TwitterやInstagramのDM(ダイレクトメール)や仕事の窓口として出しているメールアドレスから何件か問い合わせはあるものの、怪しいものがほとんどなんです」  結局、待っているだけでは仕事はこなかった。まともなオファーがきても“この仕事を受けるべきか否か”の判断が自分自身で出来なかったという。 「私にはフリーは向いてないやと思って、新たに事務所探しを始めたんです。まず誰もが知る大手を受けまくったんですが全滅でした。何個か面接までこぎつけましたが、レッスンを受けなきゃいけなかったり。一応、すでに芸能活動をしていたので、最初からレッスンを始める気にもならなくて」  事務所探しは予想以上に難航し、大手事務所を諦めた彼女は、以前所属していた事務所と同等の事務所を探すことにした。ところが――。 「面接で元事務所のマネージャーの名前を言うと、ちょっと渋い顔されることがあって。SNSで事務所側からDMで問い合わせてくれたところがあって、さすがにそこは受かるだろうと思っていたら、なぜか断られて。そこに所属しているアイドルの友人がいたので、それとなく聞いてみたんですよ」  その裏側にある理由は、予想以上のものだった。 「私の担当マネージャーだった人が『ヒマリが事務所を辞めましたが、もしそちらに面接に行っても所属させないでください』みたいなメールを送っていたみたいなんです。正直、『私ごときに!?』って思いました。別に事務所の看板でもなかったし……。  さておき、前の事務所を辞めたのは失敗でした。私みたいなタイプは大人しくマネージャーの言うことを聞いている方が向いていました。実際、フリーになってから仕事は減りました。自由になったら自分がいったい何をしたらいいのかわからなくなって。新しい事務所を探していた期間も、そもそも事務所を辞めていなければ普通に活動できたはずだから。時間の無駄でした」  現在は事務所を辞めてフリーランスで活動する芸能人が増えている。筆者もそのひとりだが、事務所の方針や給料面も含めて、相性が合う合わないはあると思う。  すべては“縁とタイミングと運”といったところだろうか。<取材・文/吉沢さりぃ>
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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