高学歴が報われない日本社会。リーダーが育たない理由とは?【後編】

日本のエリート教育をぶった斬る!

高学歴が報われない日本社会。リーダーが育たない理由とは?【その2】

石渡: MBAの強さは、入り口の段階で学力テストと人柄との両面で見るからですよね。ところが日本の通常の試験では学力しか見ないし、AO入試では人柄しか見ない。かろうじて機能しているAO入試は、慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)と九州大くらい。

石井: 美大出身者は優秀ですよ。僕の会社に多いんだけど、最終的にモノを作る訓練ができているから責任感が強い。それに、アーティスト同士が尊敬し合う風土のせいかイジメがない。だから東大生と違って、人をバカにしない(笑)。

: それはいい。ところで、僕はある意味学歴エリートにも同情しているんです。日本企業って大学で学んだ専門性を発揮する場がないでしょ。だから勉強もしなくなる。生かせるのは、せいぜい部長になったときくらいだけど、その頃には知識の有効期限は切れている(笑)。結局、日本にリーダーが育たないのは終身雇用、年功序列のせいだと思うんです。

石井: 僕は28歳で外資系金融の役員になったんだけど、若いときにマネジメントの経験を積めたのは財産だったね。マネジメントは組織の歯車ではなくて、歯車を組むのが仕事。そしてその練習は、若いときでないと身に付かない。

石渡: ところが、最近は学歴エリートの中にも、管理職になりたくないと言い出す人も出てきている。

: それは日本企業が赤字を出しながらも、終身雇用してくれるぬるま湯だから。しかしこのままだと国内市場が縮小し、怠惰な社員を雇う余裕はなくなる。リーダーシップがない社員は、ぬるま湯にすら入れない時代がくるはずです。

—-しかし、我々はなぜこと学歴となると、こうしてアツくなるのでしょうか?

石渡: みんな不安だからですよ。早慶の学生は「東大に負けている」、東大生は「学歴が高すぎて就職に不利」なんて不安がる(笑)。

: 学歴には2つの価値観があって、1つは東大法学部を頂点とする旧来型エリート。もう1つはアメリカの有力校MBAを頂点とする新型エリート。この対立がある。旧来型エリートは衰退していく一方で、しかも得るものは少ないため、不安がっているんです。

石井: 僕が外資系金融にいた頃から、外国人は誰も東大なんて知らなかったよ。日大や亜細亜大のほうがスケールが大きくて、優秀だと思ってたみたい(笑)。

石渡: その基準だと、我が母校、東洋大が一番だ(笑)。

石井: 日本の学歴信仰なんて、根本的に間違ってるってことですよ。


【現役社員の学歴と年収事情】

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「キャリコネ」が実施したアンケート結果から、具体的な事例を紹介。
理系の多くが就職する技術系職業は、大学院卒の30代が400万~500万円もザラで、
全般的に年収が低めな印象を受ける。ちなみに、エリート教育を施しているという愛媛大
では、3人中1人が年収1000万円を超えていた

取材・文/学歴&年収取材班 図版/エフスタイル

― 学歴大論争 [日本型エリート教育]の大間違い!【7】 ―

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