更新日:2020年12月24日 23:25
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小林よしのり『コロナ論』が大反響「日本のコロナパニックはインフォデミックだ」

インフルが流行する冬前に集団免疫をつくるべきだ

――「結果論」として、政府の無策がむしろ事態を好転させている……ということか。 小林:すべての感染症は集団免疫を獲得するか、効果的なワクチンが開発されなければ終息しない。  実は、安倍政権や厚労省の医系技官もそんなことはわかっていると見たほうがいい。だが、政府が「むしろ感染しておいたほうがいい」などと言ったら、“コロナ脳”に侵されたワイドショーなどのメディアが許すわけもなく、口が裂けてもそんなことは言えないということでしょう。  本当は、夏の間に集団免疫をつくっておくべきだ。「Go To トラベルキャンペーン」でも何でもやって、国民は全国どこでも移動して、今のうちに免疫を獲得すべきなんです。だらだらと自粛を続けても、コロナが収束することはない。乾燥する秋冬になればエアロゾルは細かくなり、感染リスクは増える。その前に、少しでも集団免疫を構築しておくのです。  Go To トラベルの対象から東京を除外したのも愚策ですよ。確かに、人口が多い大都市から感染が拡大しているが、すでに東京の実効再生産数は減少に転じており、ピークアウトしたと言っていい。事実、大都市から感染者数は増えるが、その後、大都市から減っていっている。 ――安倍政権は8月7日、世界の開発競争の先頭を走る英・アストラゼネカ社と、1億2000万回分(6000万人分)のワクチンを供給することを合意した。 小林:以前から「風邪のワクチンが開発できたらノーベル賞確実」などと言われるが、やはりワクチン開発は難しいでしょう。そもそも、ワクチンは抗体をつくるためのものだから、日本人がもともとコロナに有効な抗体を持っているならワクチンなど要らない。わしはインフルエンザのワクチンも打たないし、罹っても自前の免疫でいつも治している。高熱を出して布団かぶって寝ていたら、3日もすれば治りますよ。 「新型コロナには治療薬もワクチンもないから怖い」という声があるが、治療薬もワクチンもある季節性インフルエンザに毎年1000万人以上が感染し、1万人が間接死している。つまり、インフルのワクチンの有効性さえ疑わしいというのに、政府も専門家もメディアもその事実を無視している。

コロナパニックはメディアがもたらしたもの

――『コロナ論』のなかでは、今起きている「パニック」はメディアによる「インフォデミック」であると繰り返し批判している。 小林:著名人が感染すると、まるで悪いことをしたかのようなニュアンスで大々的に報じている。風邪を引いたら罪と言っているようなもので、コロナを巡る報道は常軌を逸している……。著名人だからといって、風邪を引いたことにニュースバリューなどあるのか? 今の狂ったテレビを観ていると、むしろストレスになって免疫が落ちそうだよ。  ただ、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)はヒドすぎるね。「コロナの女王」こと岡田晴恵(白鴎大学教授)と玉川徹(テレビ朝日報道局員)は、死者数を無視し、増え続ける感染者数ばかりをクローズアップして、ただただ恐怖を煽ってきた……。データやファクトを示さずに情緒に訴えて、今も視聴者を“コロナ脳”に洗脳しているわけです。  言っていることが矛盾だらけで、“予言”をすべて外す岡田のような学者も問題だが、起用するメディアの罪はもっと重い。一方、玉川は「全国民一律でPCR検査を実施すべき」と到底、実現不可能な主張をして、コロナ根絶のためなら、経済が死んでもいいと言わんばかり……。わしは『モーニングショー』を極左テロ組織に認定すべきとさえ思うよ。
インフォデミック

恐怖心を煽るメディアによるインフォデミックの被害は、日本ではパンデミックよりも深刻かもしれない(『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論』より)

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グローバルリズム信仰が“コロナ脳”を生み出した
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ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論2

専門家とメディアが作り上げたインフォデミックによって我々は「1億総強迫神経症」になってしまった――。予約段階で重版が決定し、前作と合わせて累計10万部の問題作。宮沢孝幸氏へのロングインタビューも収録

ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論

見掛け倒しの緊急事態宣言で経済を殺した政治家と専門家、そしてメディアを断罪する!!
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