更新日:2020年12月24日 23:25
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小林よしのり『コロナ論』が大反響「日本のコロナパニックはインフォデミックだ」

なぜ、日本人はこれほどまでにコロナに恐怖心を抱くようになったのか?

 『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』(1998年・幻冬舎刊)や『ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論』(2009年・小学館刊)など、これまで数多くの論考を発表し、その度に激しい論争を巻き起こしてきた漫画家・小林よしのり氏――。 小林よしのり 毀誉褒貶相半ばしようとも、今もエネルギッシュに作品を量産し続けているが、そんな彼が描いた最新作『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論』(扶桑社刊)が、発売即重版がかかるほどの話題となっている。  季節性インフルエンザの死者が、「間接死」(インフルエンザによって以前からの基礎疾患が悪化して死に至る)も含めて毎年1万人いるのに対して、新型コロナによる感染症の死者は8月25日時点で1216人強……。それにもかかわらず、なぜ日本人はこれほどまでに新型コロナに恐怖心を抱くようになったのか? そんな疑問を、著者である小林氏が、科学的知見に基づいたデータや歴史的視点から一つずつ塗りつぶしていく重厚な作品に仕上がっている。 「新コロの正体は、日本ではインフルエンザ以下の珍コロ」  時にそんな挑発的な言い回しで持論を展開し、「私権」に著しく制限を課した政府による緊急事態宣言の愚かさやメディアによる「インフォデミック」の危険性を繰り返し訴えているが、果たして、その真意はどこにあるのか……? 今回、本人を直撃した。

1月末から懐疑的に見ていた

――『週刊SPA!』誌上での連載や自身のブログ『あのな、教えたろか。』を読み返すと、1月末という早い段階から新型コロナウイルスそのものを懐疑的に見ていたことがわかる。 小林:中国発の未知の感染症が流行し始めたのに、大阪に行くとホテルのロビーは中国人観光客だらけで驚き、ブログに「日本は中国人旅行客を入国禁止にすべきでは?」と書いたんだよ。そのときは排外主義などと批判されたが、その後1か月の間に新コロは全国に広がってしまった……。  わしは喘息持ちだから、インフルエンザにはかなり注意を払っており、新コロの感染者数や致死率などをずっと注視していた。すると、インフルは例年約1000万人が感染しており、365日で割ると1日当たり3万人の感染者を出している。一方で、新コロの感染者数はこれまでで6万人くらい。死者も1200人程度と桁違いに少なく、インフルより全然大したことはないという結論に辿り着いた。 ――実際、「第2波」がピークを越えたと言われる今も、死者数は依然として低水準にとどまっている。 小林:「日本モデル」などと政府のコロナ対策を評価する声もあるが、実は安倍首相が無為無策だったおかげと言っていい。4月7日に緊急事態宣言が出るまでの1か月間で感染が爆発的に広がり、宣言は手遅れだったわけだが、最初に入ってきた武漢株にも、その後の欧州株にも、日本人は自らの自然免疫で打ち勝つことができるのがわかった。自然免疫で事足りたので、抗体もできず、抗体保有率は低いままだが、日本人は集団免疫を持っているのと同じだとわかった。  これも首相が何もせずにボケーッとしてくれていたおかげですよ(笑)。
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インフルが流行する冬前に集団免疫をつくるべきだ
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ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論2

専門家とメディアが作り上げたインフォデミックによって我々は「1億総強迫神経症」になってしまった――。予約段階で重版が決定し、前作と合わせて累計10万部の問題作。宮沢孝幸氏へのロングインタビューも収録

ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論

見掛け倒しの緊急事態宣言で経済を殺した政治家と専門家、そしてメディアを断罪する!!
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