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『半沢直樹』の大ヒットでドラマ関係者が嘆いているワケ

オーバーな演技が求められるワケ

 続いて、キー局やネット番組でドラマやバラエティ番組を手掛けるフリーの女性プロデューサーのB氏にも『半沢直樹』の演出面について聞いた。 「『半沢~』は見逃し配信がないので、大きな画面のテレビで見てもらうことを前提に作られている。その点でいえば、細々とセリフを言い合うよりも表情を使った演技でドーンと見せることのほうが合っていますよね。その意味では“顔芸”は大正解だと思います。
今日から俺は!!劇場版

画像:今日から俺は!!劇場版

 ただし、個人的には何気ないリアルなセリフで物語が進んでいく平成ドラマで育った世代なので、オーバーな演技で見せるドラマのヒットばかりが続くとちょっと複雑な気持ちではありますね。『半沢~』に限らず、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)や『コンフィデンスマンJP』(フジ系)のように今のドラマはいかに現実離れされるかがカギになっていますから……。  その理由としては若い世代を中心に、リアルな会話や演出はドラマよりも恋愛リアリティショーやYoutube、SNS動画などに求めている傾向にあるのだと思います。私としては『半沢~』のよい部分は取り入れつつ、セリフや展開で見せることができるドラマを作っていきたいです」

大ブームの“オジさんドラマ”が今後も増加?

 また、B氏は近年のドラマの傾向で他にも危惧をしていることがあるようで……。 「『きのう何食べた?』(テレビ東京系)や夏ドラマでヒットした『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)や『おじさんはカワイイものがお好き。』(日本テレビ系、木曜午後11時59分~)のように、西島秀俊さんや内野聖陽さん、大森南朋さん、眞島秀和さんのようなダンディで渋いアラフォー俳優の活躍が目立っていることですね。今後も、しばらく同様な作品のオンエアが予定されています。個人的には大好きなのですが(笑)、やはり旬の若手俳優がメインを張るドラマが増えてほしいかな」
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脚本家は構成やセリフを評価されたいけれど…
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テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

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