顔を舐めさせるのはNG? 愛犬をコロナから守る方法/日本獣医師会監修
8月上旬、犬2匹が新型コロナウイルス陽性と報じられた(国内初の事例)。その前にはベルギーで猫の感染が確認されたが、「犬はかかりにくい」という専門家の発言もあったため、ニュースの衝撃は大きかった。
まず国内でのペット感染は、8月末まで初めて感染を確認した犬の2匹のみと境氏。うち1匹は陰性に変わり、もう1匹は健康状態に異常がないため、既に飼い主のもとにかえっているという。
「2月下旬から3月上旬にかけて、香港で新型コロナウイルス感染者の飼育犬から PCR弱陽性反応が出ました。またニューヨークの動物園でのネコ科動物への感染や、ベルギーでの猫への感染がありましたが、猫から人への感染は報告されていません。中国やドイツの感染実験では、豚や鶏は非感受性であり、犬も殆ど感受性がないとしています。犬が感染したのは、感染した飼い主とかなりディープに濃厚接触をしたためと考えられます」
オランダでは、毛皮用に飼われていたミンクと農場従業員の間で双方向の感染が報告された。また猫とフェレットは感染しやすく、その場合は猫から猫、人から猫への感染が報告されている。その場合、下痢症状などが伴う場合もあるという。
「猫を室内だけで飼っている場合はリスクが少ないですが、外で遊んでいる猫は他の猫や、人間と接触している可能性がありますので要注意です」
飼い主が行うべきペットに対する感染予防として、次の3点を境氏は挙げる
1.外出先から帰宅したら、手洗いやうがいを行い、着替えてからペットに向き合う
2.猫は外に放置しない。室内で飼うようにする
3.キスを避ける、顔などを舐めさせない(なめさせる場合は外出先から帰宅したら、顔を洗う)、口移しに食べ物を与えるなどを避ける
また気になるのは、飼い主がコロナに感染した場合だ。
「ペットに移ってしまったような臨床症状が認められたり、一時的に飼養が困難となった場合は、まずかかりつけの獣医師と電話相談をしてください。獣医師の指示に従って、動物病院で診察を受けることが大事です」
筆者は単身者で猫を一匹飼っているので、「もし私が感染したら」という前提で、かかりつけの獣医師に電話相談したところ、「基本的に預かりますが、このご時世なので、キャリーバックに猫を入れて病院の前から電話をしてください。スタッフがキャリーバックを受け取り、診察して症状がなければ預かります」とのことだった。
ペットの感染はどの程度まで広がっているのか。また飼い主が陽性となった場合、ペットの預かり先はどうすればいいのか。公益社団法人日本獣医師会副会長・専務理事の境政人氏に聞いた。
犬が感染した理由は?
飼い主がコロナになったらどうすればいい?
1
2
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ