恋愛・結婚

夫から「9kg痩せないと離婚」を突きつけられた妻が離婚を決意するまで

それでも離婚に踏み切れなかったのは年齢

離婚 増田さんが離婚を考えたのは1回や2回ではない。「何十回別れようと思ったかわかりません」と苦笑する。だが、なかなか実行できなかった理由は「年齢」だ。 「35歳で、いま旦那と別れても再婚はおろか、恋人なんて出来ないんじゃないのかなって。なんだかんだそれで踏みとどまっていました。もう自分に女としての価値を見いだしてくれる人が現れない気がして。本当にデブでブスで無能な人間だと思い込んでいたんで」  そんな時、会社の後輩にある一言に救われたという。 「お世辞だとは思うんですが、『増田さん、他社の人に“可愛らしい”って人気ありますよね! 何人か独身なら狙ってたのにって言ってましたよ』って。それで、私なんかを評価してくれる人がいたんだと、本当に驚いたと同時に嬉しくて。少しだけ自信を取り戻しました」

自分の人生が可哀想に思えた

 ある朝、着替えている最中に「お前、地球上の生物の中でいちばん醜い体型だね」と言われ、目が覚めたという。 「そんな酷いセリフを吐きながら楽しそうに笑っている元旦那を見て、もう繋がってた糸が急に切れたというか……。『あぁ、もうこの人はいらないや』って思いました。このまま一生侮辱されつづける人生だと思ったら、自分が可哀想になっちゃって。『もう別れよ』って」  元旦那は「急にどうした?」と彼女の離婚の意志を冗談だと受け止め、その場では話し合いにならなかったという。 「全く話になりませんでした。その後、何度も『今後の人生、あなたといるのは絶対ムリ』とはっきり伝えたら、彼はプライドが高いのですんなり別れられました。子供もいなかったし、結構スムーズでした」  今では、久々の独身生活を満喫しているという。 「ちょっと洗脳されてたのかもしれません。高圧的にずっと、『デブ!』『ブス!』って言われ続けてたから、『私は本当にしょうもない見た目なんだな』って。彼と一緒の時は、“どうせブスだから”って、メイクや髪型はずっとワンパターンだったし、“どうせデブだから”って、洋服は毎日ほとんど真っ黒でした。別れてからは、髪型も色々チャレンジしたり、ピンクとか黄色とか、暖色系の服も着れるようになった。周りにも『すごい明るくなった』って言われますね。本当に暴言野郎と別れて良かったです」  離婚と聞けば、マイナスなイメージを浮かべてしまうが、人生が良い方向に向かうこともあるのだ。  近年、“モラルハラスメント(略してモラハラ)”というワードをよく耳にする。言葉や態度による精神的な暴力のことだ。あなたの何気ない一言が、妻や彼女を傷つけていないだろうか。<取材・文/吉沢さりぃ>
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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