恋愛・結婚

妻から「いっしょに暮らすメリットがない」と言われた夫、仲直りのきっかけは…

お互いの価値観の違いに気づいた

 金融コンサルの仕事をしている藤岡由美さん(仮名・30代)とエンジニアの夫(40代)は、世帯年収2000万円。西麻布のマンションに住んでいる何不自由のないセレブ夫妻だ。 「私たちは結婚5年目で、夫はそろそろ子どもが欲しいと言うのですが、私は子どもができるまでに資産運用も兼ねて分譲マンションの購入を検討しています。借金を抱えるリスクに対して夫が及び腰のため、引っ越しができない状況が続いていました」  そんな中、お互いの誕生日が近づいてきた。藤岡さんは結婚5年目のお祝いも兼ねて、たまにはと銀座のフレンチを予約。イタリア製の革靴をプレゼントしたそうだ。しかし……。 「夫からはプレゼントどころか、何のお祝いの言葉もありませんでした。もともと細かいケアができない夫の性格を気にしていましたが、思えばこれまで私からねだらなければレストランの予約も旅行もプレゼントももらっていない……ということに気づいたんです」  高給取りの藤岡さんは、夫と一緒に暮らしていることに対してデメリットに気づいてしまったという。 「私は、家問題が面倒で自分の思うように引っ越し(マンション購入)できない、子どもができない、家事は私がやっていること、その他一緒に暮らすうえで我慢していることなど、少し思い浮かべただけでもいろいろと不満に思うことが多くなっていきました」

「あなたといっしょに暮らしていてもメリットがない!」

喧嘩 ある時、マンションの更新がきっかけでマンション購入の話になった藤岡夫妻。堂々巡りの結果口論となり、我慢できなくなった藤岡さんはついにこう言ったのだ。 「あなたと一緒に暮らしていても私に全くメリットがない! そんなにマンション買いたくないなら自分で買うから別居してほしい」  マンションの購入が嫌なら名義人を妻名義にしてとりあえず買ったらいいと藤岡さんは粘ったのだが、その甲斐もなく、マンション購入も結局は許可が出なかったようだ。 「私は、Go Toトラベルを利用して軽井沢にプチ家出しました。久しぶりにたったひとりで旅してリフレッシュできましたよ」  軽井沢の旅行で冷静さを取り戻し、離婚した場合のデメリットの方が多いと考えた藤岡さんは、西麻布のマンションに戻り、普段通りの生活を送っているという。  現在はコロナ禍で夫婦が一緒に過ごす時間が増えたぶん、これまでは見えなかったお互いの価値観が浮き彫りになりやすい。  離婚まではしなくとも普段の鬱憤が爆発してしまうきっかけは、突然やってくるものだ。それが夫婦の仲に大きな亀裂を招いてしまうこともあるのかもしれない。<取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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