仕事

職場のコロナ対策に満足? 会社員500人に調査した本音

ニューノーマルな働き方は、自分の手で開拓するもの

働き方革命

イラスト/サダ

 コロナ禍での働き方改革、「何をすべきか?」と誰もが手探りの状況だからこそ、今を生きるビジネスパーソンは自分だけの働き方を生み出し、新たな一歩を踏み出している。その一歩の重要性を前川氏は次のように語る。 「大前提となるのが、感染症が収束したとしても、完全には元には戻らないということです。つまり、ここで自分なりの働き方、付加価値を生み出せた人は、これから飛躍する可能性が高い。  私がリクルートに在籍していた頃は、個性的な編集長たちのなかでどうやって自分のポジションを確立するか悪戦苦闘したものですが、コロナ禍で働き方がマニュアル化されて横並びになった今こそ、独自のポジションを確立する好機ともいえます」

自分の能力を売る働き方が必要

 太田氏も同意する。 「働き方が変わるにつれて、人の評価が激変しています。これまで上下関係や雰囲気で仕事をしているふりをしてきた人は、軒並み評価が下がっている。地位や部署に仕事が回るのではなく、能力のある人にシビアに仕事が回るようになっています。  管理職も従来の上意下達タイプは駆逐され、プロデューサー的な立場で個々の長所を生かし、モチベーションを上げて、全体を巻き込んで成果を出すタイプが求められる。よく『これからはジョブ型』と言われていますが、私は正確には『自営型』であるべきと思っています」  会社員といえどもフリーランスのような、自分の能力を売る働き方が必要になるという。 「そこまで仕事への向き合い方が変わっていないという人は、組織も仕事も変わらず、化石化しているということ。逆に、会社の存続に危機感を覚えたほうがいいでしょう」(太田氏)  仮に会社が沈没しても、生きていけるだけの仕事と価値をどれだけ自分につけられるかが、今後は最重要課題となる。ぜひ自分なりの働き方を開拓してほしい。 【組織学者・太田 肇氏】 同志社大学政策学部教授。専門は組織論。著書に『「承認欲求」の呪縛』(新潮社)、『「超」働き方改革―四次元の「分ける」戦略』(筑摩書房)など多数。 【FeelWorks代表・前川孝雄氏】 青山学院大学兼任講師。「上司力研修」などで400社以上を支援。著書に『コロナ氷河期 終わりなき凍りついた世界を生き抜くために』(扶桑社)など多数。 <取材・文/週刊SPA!編集部 アンケート協力/パイルアップ>
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コロナ氷河期

終わりなき凍りついた世界を生き抜くために
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