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学校の「あだ名」禁止に賛否両論。あだ名で得したこと・損したことは?

本名とはカスリもしないあだ名「シゲル」

黒板 高校の同級生になぜか突如“シゲル”というあだ名をつけられたのはハギ(@HagiRosshi)さん。 「高校1年生の時に同級生の叔父さんに似ているという謎の理由でつけられた“シゲル”というあだ名ですが、2年生になってからもそのあだ名がなぜか広まっていって。2年生になりクラスが変わるときって最初に仲良くなるきっかけが難しいのですが、あだ名のおかげで新しいクラスメイトとともすぐに打ち解けられたんですよ。僕がどんな人か分からない中でも“シゲル”って不思議なあだ名がキャッチーで声をかけやすかったんのでしょうね。“シゲル”は本名とはカスリもしていないのでみんな『なんで?』と面白がって呼んでくれました」(ハギさん、以下同)  特に不快感をあらわにせず「シゲルじゃないよ」と言いつつ、笑って受け応えたというハギさん。高校時代特有のノリで盛り上がったことで友だちも増えたのだそうだ。  では、あだ名のせいで損したことはあるのか。 「強いて言うなら“シゲル”ってあだ名が一人歩きして本名だと思われたぐらいですかね」  確かに紛らわしい名前ゆえ、勘違いされてしまうことは多そう。続いてはそんな紛らわしさとは真逆の“あだ名”だ。

あだ名「少年B」が今では本名より呼ばれる仕事上の名前に

 ライターとして活躍する“少年B”(@raira21)さん。一度聞くと絶対に忘れることのない、かなり印象的なあだ名だが……その由来は? 「中学のとき、隣のクラスのある男子がいきなり『おい、少年B!』と声をかけてきて。本名にはなにひとつBが入っていないので、理由をたずねたところ『ばかだなぁ、少年ボーイの略に決まってんだろ』と言われたんです。20年以上経ちますが、あの時なぜ少年ボーイと呼ばれたのか、そしてなぜボーイを略してBと呼ばれたのかは謎です。でもそれが学校であだ名として定着してしまったんですよね」(少年Bさん、以下同)  その後、大人になった少年Bさんはブログを開設する際にあだ名をそのままハンドルネームに使用。ライターになってからもそのまま少年Bという名前を使用していたところ、「いまでは仕事関係を含むほぼすべての人から“Bさん”と呼ばれるようになってしまいました」と笑う。 「漢字+アルファベットの組み合わせはなかなかないし、印象的なので名前を覚えてもらいやすいのは得したことだと思います。だけど損なこともあって……エゴサーチをしても自分のライターとしての評判とかが全然出てこないんですよね。たとえ話とか仮名の“Bさん”ばかりが引っかかるので」  ニュース記事などで仮名として使われる「Bさん」ばかりが引っかかってしまい、自分が書いた記事への感想を拾いづらいのはライターとしては不便かもしれない。  ふとした瞬間に意味などなく偶然生まれることの多いあだ名。いじめにつながるような人を傷つけるあだ名はつけるべきではないが、本人が気に入ってその後の人生で本名のごとく使いたくなるようなあだ名ならあってもいいのではないだろうか。<取材・文/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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