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Uber Eats女性配達員の素顔。パチンコ漬けの毎日から月収40万円へ

「Uber Eats配達員」を始めて人生が変わった

はるちゃん 2020年2月、彼女はUber Eats配達員の仕事を始めることとなる。最初は配達員の仲間がいたわけではなく、たった一人で始めた。半年後には週160件の配達をこなし、最高月収40万円を達成するようになった。 「最初はママチャリで始めたんです。でも1か月くらいで坂道はキツイことに気づいて、原チャリの方がいいなとすぐに免許を取りに行きました。そしたら、父が中古の原チャリを買ってくれたのが嬉しかったですね。  最高月収40万円のコツは……土地勘。近道を知っていれば早く届けて数をこなすことができますから。やりながらどんどん『こうした方がいいな』『こうしたらもっと早くお届けできるかな』と自分なりにやりかたを改善できたことが良かったんだと思います」

諦めていた過去のぶんを取り返したい

Ubereatsを始める前はギャンブルに溺れて家無し金無しの本当にロクでもない毎日で夢も希望も無い社会不適合者の自分が嫌いだったけどUberに出会えて少しづつ変われてる気がする。心から感謝>(はるちゃんのTwitterより)  Uber Eats配達員を始めて3か月が経った頃、こう綴ったTwitterの投稿がバズった。フォロワーが大幅に増え、YouTubeも始めた。  テレビなどのメディアからも取材依頼が来るようになり、まさに人生大逆転ともいえるが、彼女は「ラッキーが重なっただけだと思っています」と冷静に話す。ただ、ひとつだけ自分の中で決めていることがあるという。 「頂いた取材依頼やオファーは断ったことがありません。私は今まで道を歩いていても他の人とは『どうせ生きている世界が違うから』と色んなことを諦めていました。そんな風にやりたくてもできないことがいっぱいあったから、今は何かお話を頂いたら、当時のぶんを取り返すみたいな気持ちで、まずはお受けするようにしているんです」
配達用バッグ

ステッカーでデコられた初代「ウバック」(Uber Eatsの配達用バッグ)。現在は取材などの撮影用。清潔さを保つため、実際の配達時には新しい2代目を使用している

コミュニティに自分から入ろうと思えるようになった

 得意ではなかった人間関係にも変化があった。「コミュニティに自分から入ろうとする気持ちはUber Eatsで芽生えた」と話す。  彼女は現在、Twitter上で配達員の女性を集めて『Uber Eats女子会』を自ら企画するまでになった。そんな彼女が目指す未来はどのようなものなのだろうか? 「私は芸能人とかになりたいわけではないし、YouTubeのチャンネル登録者数をこれから大きく増やしたいと考えているわけでもありません。とにかく今あることを全力でやるだけだと思っています。今のこの状況をできる限り続けることができたらいいなと思っています。  ただ、ずっとデリバリーの仕事を続けるつもりではないんです。いずれ何かしらこれを活かした本業となるものができればいいですね。今はUber Eatsで人間関係のトレーニング中というか、人生を0からやり直して社会との接点を取り戻している感じかな」 はるちゃん 人生の大きな振れ幅を経験しながら、とにかく明るく前向きな姿が印象的だった。「いつかの未来」のためではなく「目の前にあることを全力でやる」。未来とは、その連続によってできあがる。ひとつひとつの瞬間を大切に、彼女は今、Uber Eatsを通してより良い未来に向かって歩き始めているのだ。<取材・文/松本果歩、撮影/藤井厚年>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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