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「この旅にはなんの色気もない」Uber Eats配達員のボヤキが止まらない

Uber女子と旅がしたい

 彼女も自転車で配達しており、僕らは並んで走って配達先に向かう。その間、僕のこれまでの旅のことなどいろいろなことを話す。そして配達を完了し、別れようとしたところで彼女は少しためらいがちにこう訊いてくるのだ。 「ねえ、私も沖縄までついていっていい?」  どうしてこの旅には、そういう楽しいイベントが発生してくれないのだろう。僕は本当はメイドカフェに行きたいわけではなかった。メイドカフェなんて東京でいくらでも行ける。この旅に求めているのはそういうことではないのだ。
小林ていじ

夜の木屋町通りにて

清水寺で煩悩は消える?

 40日目。少し早起きして配達の前に清水寺の拝観に向かった。清水寺までは宿泊しているゲストハウスから歩いて行ける距離だった。
清水寺

配達前に清水寺を参拝

 まだ朝7時とあって参拝客は少なく、境内は静けさに満ちている。この神聖な空間の中で僕の色欲も消え去ってしまえばもっと楽になれるかもしれないのに……。僕はそんなことを思いながら清水寺からの景色を眺めた。
清水寺

清水寺からの景色

 三重塔の向こう側に京都の街並みが広がっている。これを目にするのは中学の修学旅行のとき以来だった。 【37日目】 <支出> 食費:1415円 <収入> 2725円 残金:3960円 【38日目】 <支出> 食費:2568円 <収入> 3967円 残金 5359円 【39日目】 食費 1072円 収入:5991円 残金:1万238円 【40日目】 <支出> 食費:1181円 清水寺の拝観料:400円 合計:1581円 <収入> 4498円 残金:1万3155円 <取材・文/小林ていじ>
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。
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